一般社会が消滅した世界で、既にあなたは専門家である。
人生を生きる上で特別を目指す必要はない。特別であろうとすると、人生は息苦しいものになる。
そもそも僕たち一人一人は何かの専門家であり、その分野については既に特別なのだ。
少し前まで我々は「世間」とか「一般社会」という架空の社会を信じてきた。しかしS N Sの発達によりそんな世界はどこにもないことに気づき始めた。
「一般社会」という造られた世界
世の中には、なんでも知っている「知識人」という人たちがいて、その人たちが上から目線で判断して下々の言葉を代弁した世界、それをマスコミが利用して作り上げた世界が「世間」であり「一般社会」の正体だったのだと思う。
しかし、なんでも知っている「知識人」はどこにも存在しないことがわかった。厳密に言えば、知っていることと体験していることは違うということがバレちゃった。
佐々木俊尚さんの著書『この国を蝕む「神話」解体』には次のように書かれています
考えてみれば当然のことである。何かの専門家は、他の何かの専門家ではない。
専門分野を知らない人たちを「大衆」と呼び、およそ射程の届かない知識で彼らが評価した実態のない世界のことを「一般社会」と言っていたに過ぎない。
それに変わって明らかになったこともある。それは「一般」と呼ばれる人たちの中に特定の分野に関しては深い専門知識を持った人たちがいることだ。
佐々木俊尚さんの本では、現代社会はさまざまな知識を持つ「職能集団」社会になったと書かれています。
さまざまな分野で経験に基づく深い見識を持つ人たちが、マスコミに左右されることなくその世界の真実や、課題、を発信し始めたのが現代なのです。
あなたは何の専門家ですか
自分の人生を振り返るといろいろな経験をしてきた気がします。
学校を卒業して、11年間は宝飾品を販売する会社に勤めていました。当時はダイヤモンドの品質や相場は、現物を見ればわかったもんです。
女性の指を見ただけで、ぴたりと指のサイズも当てることができました。・・その後の人生では何の役にも立っていませんけどね💦
その後20年以上、温浴施設の運営に関わるのですが、温泉のこと、サウナのこと、はマニアの人も多いでしょうけど、職業としては彼らが追いつけない程かなりの知識はあると思います。
彼らには書けない事業計画を作成することはできますし、運営指導もできます。だけど、マニアの「温泉愛」や「サウナ愛」の熱量に必ずしも勝るとは言えません、いえとても敵いません💦💦
施設の運営のために、飲食業や介護現場も実体験があります。その道のプロではないですが、現場を知らない評論家よりは詳しいと思います。
数年前に、築地市場の豊洲移転問題というのがありました。移転先の豊洲市場の土壌が汚染されているので危険だという話です。
新たに建設された豊洲市場の地下には湧水があり、これが危険だということで移転を延期したという内容です。
結論から言えば、湧水と汚染土壌との関連はなかったのですが、今度はマスコミや、学術専門家なる人たちは、飲み水の基準を満たしていないと反論を始めました。
水道水は飲的(いんてき)基準というのがありますが、これがないから危険だというのなら全国の大半の銭湯や温泉は飲的基準を満たしていません。
そんなことは、ろくに勉強をしてこなかったぼくにだって、全国の番台に座る銭湯のオヤジさんたちだってみんな知っていることだったのです。
さて、僕は一体何者なのでしょう?💦💦💦
その気になれば、こういった体験が自分の身を助ける道具にもなるでしょうし、誰かのお役に立つのかもしれません。
子供を育てたお母さんは、その経験がない人にとっては先生となるアドバイスができるでしょう。僕にはできないです。
経営に失敗した人なら、そこから展開した体験談は多くの経営者にとって貴重なものとなるでしょう。その人の人生が成功といえるのか、失敗と言えるのかは自分の判断に過ぎません。
シングルマザー、心に大きな負担を感じる病と戦った人etc・・・
経験をせずにデーター分析する先生とは違った意味での専門家です。
特別な社会で自分を飾らない生き方
僕の住む世界も「世間」ですし、あなたが住む世界も「世間」です。その「世間」は僕にとっては「一般社会」かもしれませんが、あなたにとっては「特別な社会」かもしれません。
実態のない専門家を祭り上げて、マスコミが都合よく作り出した「大衆」は存在しません。誰もが特別なのが実態です。
自然体で十分特別である世の中で、敢えて特別であろうとすると疲れるのは当然だと思います。
そこで無理に作り出した歪んだ情報を発信すれば、あなたの実態は人にとっては尺度の狂った専門家に写ります。
まもなく還暦、自分の知っていることは背伸びをせず、脚色せず、ありのままに発信し、行動でしたいものです。
もし、それを必要とする人が居てお役に立つなら嬉しいし、そうでなければ、それはそれで良いのではないかということです。
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