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個室サウナの行方(2) 原宿・「暖力」

 関東で開店ラッシュの続く個室サウナ!このブームは全国に波及しそうです。

 空前のサウナブームと言われていますが、従来日本のサウナは温浴施設の付帯物でした。サウナが、サウナそのものだけをサービスとして提供する施設が、今後定着できる代物なのか?

体験レポート第2弾です

「暖力」水風呂にこだわった高級感のある個室サウナ

 2軒目は原宿の「暖力」サウナ好きのオーナーが、水風呂にこだわったサウナという触れ込みです!サウナ愛好家にとっては「水風呂」こそ主役だと憚らない水風呂マニアも多くいます。

 限られた空間で、限られた条件で水風呂の“こだわり”をどう表現してくるのか?「温度」や「深さ」や「量」などの定量的なものでしょうか!それとも「肌感」や「音」或いは「見た目」などの定性的なものでしょうか?

 お手並み拝見!ちょっと上から目線で申し訳ないですが、思いを如何なる表現で楽しませてくれるのかを楽しみに訪問させていただきました。

 訪問は日曜日の朝9時の開店時間一番を予約、地下鉄明治神宮前から、明治通りを進みます。この時間に開いている店はまだ無く、人影はまばらの中を歩く事5分、予約時間丁度にお店に到着しました。

 フロントには男性スタッフが2名、受付で名前を告げるとチェックイン完了、昨日の「L E S S」もそうですが、事前予約制なので受付が実にスムーズです、受付の作業効率も良いですね。

 “お水はお持ちですか?”と尋ねられます、こちらのお店は水は有料で、現金は使えず、電子マネーのみ有効、ICOCA(関西のJ R電子カード)を“ピッ!”としてクリスタルガイザーを購入。

 運営に当たって、現金の授受が、全くないというのが今風です、運営面でもかなり効率的でリスクも少なくなります。(今後参考にします)

 “中には、お手洗いはありませんのでお済ませになりますか?”部屋の案内の前にスタッフから声をかけられます。後々後悔することとなるのですが、駅で済ませてましたので、“大丈夫です”と答え、部屋に案内してもらいました。

 こちらの施設は前日の「L E S S」と違って館内は明るめ、白木を使った和風調で料亭の個室に通されるような高級感があります。80分5,600円という値段は、昨日の「L E S S」と比べると倍近い価格設定ですので、それなりの違いを感じます。]

格子戸調の引き戸を引いていざ室内へ

 案内してくれたスタッフから簡単な説明を受けます、説明の最後に“できましたら、最後に水風呂の水を抜いてから上がっていただけますか?”とお願いされます。

 なるほど、スタッフさんが服を着たまま共栓を抜くのは制服が濡れるでしょうし、掃除の際も浴槽の水が抜ける時間はロスタイムになるので、客が抜いて上がるのは極めて合理的といえます。お願いを承諾して、いざ体験!!

贅沢だけどちょっと気になる水風呂の仕組み

 暖力さんも部屋の構成は3層構造で、室内は明るく健康的!!まずは一番手前のドレッサー兼整いスペース、奥行きは1mに満たないのですが、幅は3m近くありますので比較的ゆったりと着替えられます。

 ここで服を脱ぎ、全面ガラスの仕切りの奥にある浴室スペースへ、浴室には黒い袴に覆われた白い浴槽に水が満ちており、蛇口から“ドボドボ”と水がながれています。

 浴槽の水は既に満たされており、溢れ出ないのは、浴槽の水は循環しているのかな?説明では水を止めるようには言われなかったので勝手にそのように解釈して、まずはサウナに入ってみます。

サウナは、水風呂浴槽の部屋に隣接しています。

 サウナの横幅は2mほどなので、横になることも十分可能です、奥行は1m弱しかありませんので、狭いのですがガラス戸越しに明るい浴室が見えるので、閉塞感を感じることはありません。

 開店間も無くだからか?室温はやや低め、壁に取り付けられた15分計をひっくり返していざ1戦目!3分ほど経ったところで、ロウリュバケツに入ったアロマ水を、熱石にかけて蒸気を発生させ室温を上げてゆきます。

 絶え間なく“ドボドボ”と注がれる水風呂の音を聴きながら程よく汗を掻くまで約10分、今日も体のサイクルは正常値、ここでサウナ室を出て、お楽しみの水風呂へダイブ!(←個室サウナならではです)

 水温は15度くらい?程よい冷たさです、浴槽から勢いよく水が“ザブーン”と溢れ出し、贅沢な気分に浸りながら数十秒。気持ち良いです!

 絶えず差水がなされているこの“ドボドボ”という音と“ザブーン”と溢れる水の音、個室サウナでこれを実現させる、この辺りにこだわりなのかな?

 やや高めの浴槽なので、家庭用の浴槽と比較すれば深さはあります。水温も水道水そのままの温度ではなく、チラーという冷却装置を使ってしっかりと冷えています。

 頭まで浴槽に浸かり、テンションが上がりながら浴槽に浸かっていると気になりだしたことがあります。”この水は循環してはいないよな・・・!”
ということです

 余談ですが、循環について説明します。循環型浴槽とは、浴槽の水やお湯が湯船の底から引き込まれ、濾過器を通過して浄化され、更に熱交換器を通ることで浴槽の温度を一定に保ちます。戻ってくる水を蛇口から戻せば、浴槽の水位は変わりませんので、浴槽から水が溢れることもありません。

 水風呂に飛び込むと、私の体重分、浴槽の水が勢いよく溢れ出しますが、この水は排水されているのか?それとも回収されているのか?ということも気になります。

 これも余談ですが、溢れたお湯や水を回収して、循環させるには回収槽という別のところに一旦水を貯めなければ、構造上循環することはできません、そうしないとエア噛みしてポンプがうまく回らないからです。

 お客として楽しむ分にはどうでもいい事でしょうが、仕事がらお湯や水はキャッシュと同じ価値に感じます。湯水のように使うなどという比喩は怖くて口にもできませんので大いに気になります。

 よくよく考えると、今は新たに温浴施設を造る場合、衛生の観点で循環水は高低差のある吐水口から戻すことはできません。また、オーバーフローした水は回収槽を使って戻すことも禁じられています。

 ですから蛇口から“ドボドボ”と流れる水も、浴槽から溢れ出る水も排水されていることになります。なんと、もったいないことでしょう。慌てて水を止めた次第です!(気付くのが遅い!!)

 冷やした水を、無造作に捨てているとしたら、確かに贅沢ですが、経費の上では採算が合わなくなります、一体どんなカラクリがあるのか、気になって仕方ありませんでした。

個室サウナではお手洗いは済ませておくこと

 そんなことを思いながら、水風呂から出て、寛ぎルームで暫し整いタイム!腰深くかけられる椅子で、リラックス。狭いスペースですが、ガラス張りの明るい空間で窮屈さは感じることなく整いの沼へ・・・

落ちかけたのですが

お腹が冷えたためか、急に腹具合が微妙なことに・・・!駅のトイレで、済ませていたのは小用だったので、すっかり油断しておりました。

 こうなると、個室サウナは困ります、外に出るには一旦着替えなければなりません、限られた時間ですのでロスタイムは勿体無い、お腹と頭とで激しい問答の結果

“そうだ、サウナで体を温めよう”と危険な決断!

 もう2度と来ることはないかもしれませんが、狭い業界です、しくじると取り返しはつかないと覚悟を決めて2戦目に挑戦しました。

 2戦目はサウナの中では、このリスクを回避しようと頭は一杯です。なんとか、お腹の調子は戻ったものの、温浴事業では「う○こちゃん問題」は結構身近に付きまとうよくある問題だからです。

 話が脱線ばかりですみません!

今回も「サウナ→水風呂→整いタイム」を3セット、整いました!

時計を見ると、早くも10分前、やはり80分は3セット楽しむにはやはりギリギりの時間のようです。

値段と価値観が合うかが課題

 脱線続きの「暖力」のレポートですが、今回体験した部屋は約3,5坪(12平米)で、サウナよりもむしろ水風呂にウエイトを置いた造りです。

 良い水風呂とはなにか?『温度』『掛け流し』『深さ』『水質』『環境』判断基準は人によって違います。

 確かにこだわりは感じられましたが、文中で懸念したことがその通りなら、経営サイド、顧客サイドで割に合うのかな?とも思います。

 寛ぎスペース、浴室、サウナ、それぞれの部屋はガラス張りの壁や扉で仕切られ、全体的に明るく清潔感があり。個室サウナとして課題となる窮屈さを感じることはありません。

 サウナ自体はいささかパワー不足を感じましたが、ロウリュを行うことでしっかりと発汗することができました。値段とクオリテイを考えると、微妙ですが、東京のド真ん中で個室サウナを贅沢に楽しむことができました。

 女性には専用のパウダールームがサウナ上がりに時間外で利用できるようです。女性に嬉しいサービスです。

 サウナに入る前に、必ず用は足しておくこと、水風呂の蛇口は必ず閉めること、は忘れずに!は教訓になりました。

個室サウナの行方(3)「自分サウナ3S」に続く・・・

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