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【インタビュー Vol.2】代表取締役CEO・眞鍋顕秀~米本先生との出会い編~

前編では、眞鍋さんが宇宙スタートアップに携わる前のお話を紹介しました。本編では、宇宙と出会ったきっかけについてご紹介します。

前編はこちらから
https://note.com/spacewalker_jp/n/n85c595f43d98

~SPACE WALKER 創業のきっかけ~

2016年のある日、眞鍋さんは高校の友人が営むバーでお酒を飲んでいた。
その時に”今”に繋がる一本の電話があった。

「眞鍋さん、今何してますか?そっちに行きます」

と、眞鍋さんに電話を掛けたのはSPACE WALKER 前CEOの大山さんだ。
そして、大山さんはバーに来た。その時、

「宇宙好きですか?ロケット興味ありますか?」

と聞かれた眞鍋さん。正直特別好きでも嫌いでもなく、「スペースシャトルってかっこいいですよね~」と話していたところ、大山さんからとある相談を受ける。

「九州の大学にロケットを飛ばしてる教授がいて、会社を作りたいそう。
眞鍋さん、お金50億集められませんか?」

唐突な相談に驚きつつも、飛行機の開発も数兆円かかるということを考えると、「50億で地球と宇宙をつなぐ交通インフラをつくれるのであれば安い」と思ったそうだ。九州工業大学に実験機があるとのことだったので、眞鍋さんはとりあえず見に行くことにした。

~米本先生と出会う~

大山さんから連絡があった日から3日後、眞鍋さんは実験機を見に九州工業大学にいた。

この時、眞鍋さんは宇宙業界に特別興味があるわけではなかったのだが、当時IT業界で話題のイーロン・マスクが、ロケット関係ですごいことをやっているという情報は耳にしていた。

そしてついに実験機を見た時、眞鍋さんには二つの感情があった。

「ちっちゃいな、、、ちょっと無理じゃないか?」
「ビジネス的に面白そうではある」

当時の実験機はおよそ1.7m。小さいなと思った一方で、米本さんの話を聞いて、面白そうだなとも思ったそうだ。

この実験機は、米本先生がJAXA・IHI・川崎重工業・東レカーボンマジック・安川電機など名だたるエンジニアリング企業とコンソーシアムを作り、開発していた。このすごいチームでロケットが飛ばなかったら、他がどれだけ頑張っても成し遂げられないだろうと考えた。米本先生の話を聞いていく中で、「ロケットをつくれるチームはある。このビジネスは絶対勝てる。」
と思ったそうだ。

~イーロンマスクもジェフベソスも再使用ロケット~

米本先生に出会ったのは2016年の10月頃。そしてSPACE WALKERを立ち上げたのは、2017年のクリスマス。眞鍋さんたちはこの一年間、本当にビジネスとして勝ち目があるのか議論していたそうだ。

ロケット業界の常識は、使い捨てロケット。再使用できる有翼ロケットの開発を進めている米本先生たちは、業界から否定的な意見ももらったそう。
打ち上げに翼は邪魔、開発費用が高いなど、様々な意見があがったが、眞鍋さんは考えた。

「イーロン・マスクもジェフ・ベソスも再使用ロケット作ってるのに、なぜ否定するんだ。」

よく考えると、そもそもイーロン・マスクやジェフ・ベソスはサービスで儲けようとしている。一方で、再使用の有翼ロケットに否定的な意見を持っていたのは、メーカーだった。

メーカーは作って、売り切るのが商売。一方でイーロン・マスクたちは、ロケットを使って何かサービスを提供して儲けようとしている。つまり、ロケット自体の考え方が異なっているということに気が付いたのだ。

イーロン・マスクやジェフ・ベソスがロケットでサービスを作っているのであれば、これからはサービスを提供する時代。

「ロケットを使った輸送サービスをつくれば勝ち目がある。」

と思った眞鍋さんは、このビジネスを実現させたいという思いが大きくなった。

こうしてできあがったのが、SPACE WALKERである。

(次回、続きをお楽しみに〜🚀)

取材・文:Maxy(大学生インターン)