蒼葉薫風

ソヨ・クンプウ 「皐月の蒼い風は千の葉を薫らせて 人の心を震わせる」 自由で解放された…

蒼葉薫風

ソヨ・クンプウ 「皐月の蒼い風は千の葉を薫らせて 人の心を震わせる」 自由で解放された内容を綴って 読んでくださる方を和ませることができれば、どんなに幸いでしょうか。 どうぞよろしく。

最近の記事

夏至と月光

暦のうえでは夏至を迎えました。 ちょうど、雨降りの一日でしたが、夕方すぎには雨上がり。 空が澄み渡り、 夜にはとてもきれいな月が顔を見せました。 夏至が明けて、きょうは満月の日です。 雲と雲のはざまから青空がのぞいていて、 そよ風が軽やかに吹く、気持ちの良い朝を迎え、 今夜美しい月を見ることができるかもしれませんね。 アメリカでは、6月の満月を『ストロベリームーン』と呼び、 農家ではいちごの収穫最盛期となるそうです。 アメリカから見える月が、いちごのように紅色をしているの

    • mother's day

      海の波 穏やかに私を包む 尊き母の胎 全身全霊をゆだねながら あの朝目覚めた 慈愛に満ちた道を通りぬけ 旅の始まりは母の胸のなか 産声を上げた声は 歓喜の賛歌 感謝の賛歌 ありがとう あなたの声が聞こえる ”生まれてきてくれて ありがとう” 蒼い美空に白鳥が鳴き 蒼い草原にくれないの花が薫る 木々のはざまに輝く太陽 どこまでも続く五月の空 ありがとう 私は今、青い空を見上げています

      • 春色の風に乗って

        4月6日 きのうの風は強い風 カーテンに映る 木々の揺れる影が 夜どおし 心地よい眠りにみちびき 風は翌朝に 春の雨をもたらした くもりと晴れ間が交差する あいまいな午前中、 ヨガをしながら春の疲れをいやし、 呼吸が穏やかに整うと、お昼のチャイムが 時を告げた 晴々と冴えた頭脳と体の細胞が 春の季節をいよいよもとめる ゆで卵をつぶしてマヨネーズと和え、 サンドウィッチを久方ぶりにいただきたい パセリ、キュウリ、ニンジンを添えたなら 目の覚めるような 鮮やかな色と爽快な匂

        • 朝霧と東風

          朝霧が山を覆った、雨上がりの朝 にわかに灰色の雲が切れ、 風が東から吹いたとき、 山は震えるようにして霧のベールに隠れていた 否応なしに東風は 山のベールを取り払いながら 西へ向かった いまや、澄み渡る 清明の空に ベールをはずした山が、 神の創造と慈しみを讃えて 歓喜の歌をささげる 冬は去り、春が来た、 さあ、立ち上がれ、来たれ、 罪人よ、来たれ、 その戸を開け放ちて、救い主なる神を迎えよ ま白き恵みのことばが響く 山を越え、丘を跳ね上げて 悔い改めは甘美な首飾り

        夏至と月光

          もうひとたび、新たに訪れた季節に

          眠そうな灰色の空と、優しくささやく音で降る春の雨は、 大地を潤し、霧となり、春の花々を覆い隠した そのあとで、 のどかな顔を見せた太陽の光に照らされて 萌え出す山々の清らかな蒼よ いつも通るこの道から いつも眺めるあの山や丘に いつもと違う趣を いつもと違う風の匂いを 心に刻み付けた それは4月のはじめの日 葉桜を見逃さず 田んぼに向かうは 耕運機を運転する農家の人たち エンジンの重き音に押しつぶされず 季節の風に揺り動かされず 黒い土の田んぼが耕されていく 田んぼは

          もうひとたび、新たに訪れた季節に

          メアリー、メアリー、へそまがり

          メアリー、メアリー、へそまがり おまえの庭は花盛り 青空に蜂が飛び交い、ハチドリが舞い むせるような花粉の香りであふれてる 銀の鈴とハートのかたちの貝殻と 可憐なスズランはレースのボンネットかぶった娘たち 冬は去り、春が来た メアリー、メアリー、へそまがり 鎧戸を開けたら 明るい日差しの中に出ておいで 新鮮な花を束ねたら 両手を広げて抱えよう そしたら、 いつもの自分を見つけるはず

          メアリー、メアリー、へそまがり

          ペパーミントの風

          そよ風がペパーミントの匂いをくゆらせて 白いレースのカーテンを揺らした 十字路の喫茶店は 五月の昼下がり ハーブティーの湯気が 素朴な琴を奏でる 琥珀色の蜂蜜 カップの中でかき混ぜて 見つめる 窓際の向こう 新鮮な花の色と空の青さに 自分がだれかを思い出した 五月の昼下がり

          ペパーミントの風

          ペパーミントの風

          それは雨上がりの午後、 水たまりに虹を見ていた 高気圧が上昇し、 草原の息吹を舞い上げる 自転車に乗って丘を駆け下りる 風がペパーミントの匂いを 西に運んでいく ミント色をした そよ風の季節

          ペパーミントの風

          春、山笑う

          春山笑う 淡き五色にその身を染めて 山の桜はいまや散り際、 蒼翠したたる夏くれば 木々は盛んに実をつけると、山笑う コブシ、レンギョウ、山桜、 小さな菫、たんぽぽの花、 汝が生命を 創造主のことばにゆだねよ すべての事をば良きにしたまわん 実りの季節を来たらせる 万物根源のことば 笑えよ、山よ、枝たちよ、 その手を広げ 高く上げ 新たな季節を告げ知らせるのだ 希望の賛歌で小躍りし、 生けるものたちの 望みの喜びを 笑うのだ

          春、山笑う

          三月下旬の夜は、

          わけもわからずに僕はただ 夜のキッチンでパンが焼きたくなった 甘く切ない、春の匂いの酵母 ミモザ色のコーンミール パセリにセージ、ローズマリー、タイム トタンの屋根には雨音 遠く、丘の下からは 車が走り去る おぼろげな音が聞こえる 三月は驚くくらいに 足早に去っていくのだと、僕は思った アリスが追いかけた三月うさぎみたいに そっけなく・・・ できるかぎり ゆっくりと、時間をかけて この夜を過ごそうと、 耳たぶみたいにやわらかな生地を ゆっくりとねかせて 膨らむ時を待つ

          三月下旬の夜は、

          春山 花屛風

          春の山は屏風絵の花盛り 淡く、か細く、 だが誇らしく、 はかなげに、はにかんだように うつむく木々の先、枝々の先に 強さと気高さを花と咲かせるのだと、 山はなぐさめ、はげまし 地を揺り動かす 可憐な花が咲く 幾千もの花が咲く ひかりのどけき 春の日を あびて目覚めた花びらは いにしえより在りし その美しき 花屏風のような山の矜持、木々の喜び、 春風に触れた花びらは 実りの年を告げながら 舞って黒土の上に散る

          春山 花屛風

          春が来た。

          三月、山が春らしい装いをはじめている。 サクラの花が咲き出し、笹の葉は初々しい色をして揺れている。 これからもう少しすれば、まるで花屏風のような風景になるだろう。 春は何かと忙しなく過ぎゆくのだが、こんな里山をふと見上げると、 穏やかな感情がこみ上げて、グッとくる。 朝晴れて、運転する車の窓を開け放ち、春風にあたりながら今日の美しい山を見た。 夕暮れには一変して、グレージュの色をした空に冷たい風。 夜、降る雨の音を聞きながら珈琲を入れた。春の雨は耳に心地よく、雨音を聞きなが

          春が来た。

          白いレース襟揺れ 花の芽告げて

          冬の山は白いレースのよう その頭を上に向けた やり残したことはない すべてを胸におさめ ただ厳かに白いレース襟つけて 自分を造った偉大なる方の前に 深く息を吐いた どこかでサイレンが鳴り響く 山裾の向こう 灰色の空の下 凍える木々に枝たちは 風と語り合う 春はまだまだ、ずっと先 そう、北風はさとした 冬の枝は か細く揺れるレース襟 春はまだなのか、と待ちわびる いや、もうすぐだ もうすぐそこだよ だれかがささやいた 近くに聞こえる その声は そう、枝についた小さな花

          白いレース襟揺れ 花の芽告げて