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朝霧と東風

朝霧が山を覆った、雨上がりの朝
にわかに灰色の雲が切れ、
風が東から吹いたとき、
山は震えるようにして霧のベールに隠れていた

否応なしに東風は
山のベールを取り払いながら
西へ向かった

いまや、澄み渡る
清明の空に
ベールをはずした山が、
神の創造と慈しみを讃えて
歓喜の歌をささげる


冬は去り、春が来た、
さあ、立ち上がれ、来たれ、
罪人よ、来たれ、
その戸を開け放ちて、救い主なる神を迎えよ

ま白き恵みのことばが響く
山を越え、丘を跳ね上げて


悔い改めは甘美な首飾り
その祈りを以て、
まことの神に立ち返る

万物の主を仰ぎ見ることは、
永遠のいのちに至る道

目に見えない創造主の実像
それは、くれないの衣をまとった神のことば
全人類を
死からいのちに移す尊貴のことば

ー聖書 雅歌2章8-14節ー
愛する方の声。ご覧、あの方が来られます。
山々をとび越え、丘々の上をはねて。
私の愛する方は、私に語りかけて言われます
わが愛する者、美しいひとよ。さあ、立って、出ておいで。
ほら、冬は過ぎ去り、大雨も通り過ぎて行った。
地には花が咲き乱れ、歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。
いちじくの木は実をならせ、ぶどうの木は、花をつけてかおりを放つ。
わが愛する者、美しいひとよ。さあ、立って、出ておいで。
岩の裂け目、がけの隠れ場にいる私の鳩よ。
私に、顔を見せておくれ。あなたの声を聞かせておくれ。
あなたの声は愛らしく、あなたの顔は美しい。

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