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もうひとたび、新たに訪れた季節に
眠そうな灰色の空と、優しくささやく音で降る春の雨は、
大地を潤し、霧となり、春の花々を覆い隠した
そのあとで、
のどかな顔を見せた太陽の光に照らされて
萌え出す山々の清らかな蒼よ
いつも通るこの道から
いつも眺めるあの山や丘に
いつもと違う趣を
いつもと違う風の匂いを
心に刻み付けた
それは4月のはじめの日
![](https://assets.st-note.com/img/1680607161941-v4qRMBqsks.jpg?width=800)
葉桜を見逃さず
田んぼに向かうは
耕運機を運転する農家の人たち
エンジンの重き音に押しつぶされず
季節の風に揺り動かされず
黒い土の田んぼが耕されていく
田んぼは
図形化された農耕人の意思
今年もまた、谷間の田畑でエンジンの音が鳴り響く
過ぎた苦悩を胸におさめ
もう一たび 新たに訪れた季節に
実りの時に
思いを馳せて
![](https://assets.st-note.com/img/1680607241190-Ea3BQB6ucS.jpg?width=800)
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