見出し画像

映画の話63 教誨師

 大切にしたい、とても良い映画だと思います。華やかにスポットライトを浴びることのない教誨師という職業を、今は亡き大杉漣が演じている点も大杉漣の感慨深いものを感じます。
 死刑囚たちの中にも、実際の事件の被告をモデルにしたんだろうと思われる死刑囚が出てきて、それぞれの終わりゆく人生がきちんと描かれています。
 そしてさまざまなことを考えさせられます。被害感情やその人たちへの社会的なシンパシーと加害者に対する義憤や憎悪、一方で法正義のあり方、そのはざまで、正解のない問いが繰り広げられます。
 救いのない救いと向き合い続ける人にスポットを当てている、というその一点だけでも価値ある名画だと思いました。

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

サポートあってもなくてもがんばりますが、サポート頂けたらめちゃくちゃ嬉しいです。