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青春の後ろ姿#116 〜20代は、清志郎と、バイクと、文学以外に何もありませんでした〜文化と両義性

 次は山口昌男『文化と両義性』です。この本も本当に楽しく読ませていただきました。「中心」と「周縁」という概念は「内部」と「外部」という二項対立を超えた共同体の捉え方ができて、まさに目から鱗でした。どんな共同体にも、内部に属しつつ外部にも属している位置取りの人たちがいて、その人たちこそが共同体を活性化させていくという、フレイザーの偽王の話とも共通しているものを感じました。フーコーが取り上げた犯罪者、同性愛者、精神疾患者もまた「周縁」の人たちですし、マイノリティの人たちをめぐる今の社会の動きも納得できます。すばらしい一冊で、感謝しています。

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