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星野リゾート出雲進出、どうする?19年目の地方旅館…

2022年11月1日。
草菴は、出雲の小さな宿屋として歩みをはじめて19年目に入りました。
毎年11月1日は、草菴にいる私たちにとって特別な日。ちょっと緊張するような、新しい年にわくわくするような、まるで「元旦」のような日です。

さて、創業明治七年、草菴としては19年目に入った記念すべき日に、何を思うか。
19年目は、どんな年にしたいか。
小学校の冬休みの宿題の定番、「新年の決意」のような記事ですが、よろしければお付き合いください。

19年目始まってすぐの試練?

今月16日、出雲についにあの大手リゾートチェーン「星野リゾート」がオープンします。
以前、その脅威について、赤裸々に綴らせていただいたことがありました。

このところ、「全国旅行支援」などに翻弄されていた私たち。
目先の忙しさにバタバタとしているうちに、あれよあれよとその時期は近づき・・・
「あれ、もうオープンまで1か月切ってる???」
となってしまったのです。
「やばい!なんとか対策を練らないと…」
と焦る気持ちが急に出てきました。

異なるタイプの宿の登場で、出雲の魅力がアップするという考え方

そこで、ちょっと考え方を変えてみました。
対策や、立ち向かう、ってなんか違うような・・・
新しくオープンする宿は、雄大な日本海の情景が広がるとても開放的なお宿。
夕日の沈む光景が正面に見える絶好のロケーション。
また、美味しそうなお子様膳などの用意もあり、お子様連れのファミリーでも楽しめそうで、草菴とは、まったく異なる素敵な特徴がある宿です。

以前、観光の統計調査で、島根県に宿泊する人の大多数が「松江」に集中しており、出雲は「出雲大社」にほとんどの観光客が立ち寄りはするが、宿泊場所として選ばれていないという調査結果が出ました。

今回のように異なる特徴を持つ魅力的な宿が、出雲エリアに複数できてくることにより、出雲全体の魅力の幅が広がることにつながります。
出雲大社の参拝だけで通過されてしまう場所ではなく、宿泊や、温泉、食事など、しっかりと時間をかけて楽しんでもらえる、魅力ある地域になっていくことができるのでは、と考えました。

宿に求めるものは、解放感?おこもり感?

さて、先ほど、出雲に新しくできるお宿についての魅力をお伝えしましたが、私たちの宿草菴は、どのような特徴があり、どのような方に向いているのでしょうか?

まず、宿を選ぶとき、重視するのは何なのか?
そう考えたとき、大きくは「解放感を求める」のか「おこもり感を求める」のか、この2択になるのではないかと考えました。
どっちを重視する人が多いのかな?と一人で考えたところで答えは出ません。
そこで、草菴公式InstagramとTwitterにて、2択のアンケートを行いました。

アンケートを行った結果、Instagramは「おこもり感」65%、「解放感」35%
Twitterは「おこもり感」100%の結果となりました。
この結果から、宿選びに「おこもり感」を重視している方は多いということがわかりました。
ただ、これは当館のフォロワーに対してのアンケートなので、元々おこもり感が好きな人に寄った結果となっているのかもしれません。
しかしながら、宿に求める「おこもり感」は、やはり需要として高いのでは、と感じています。

草菴の3つの「おこもりポイント」

「おこもり感」を考えたとき、草菴には大きく3つの「おこもりポイント」があります。

ポイント1 周辺環境

雄大な絶景こそ望めませんが、創業時より、もともと田畑であった田舎の土地に、たくさんの木々を植え、雑木林を造りました。
19年目ともなると、それはまるで森林のように、木々たちが育ってきました。

たくさんの木々に囲まれ、そこに集う鳥や虫の声、雨の降る日には雨音に耳を傾けるひと時は、日ごろの喧騒を忘れ、心休まるかけがえのない思い出となることと思います。

ポイント2 客室のつくり

草菴は、同じ部屋タイプが少なく、それぞれに異なった魅力があります。
例えば、細部まで職人のこだわりが詰まった離れ客室。

江戸・天保期の建物を蘇らせた離れ客室

まるでリビングのように過ごしていただける、「温泉リビング」を備えた客室。

「温泉リビング」では、水に濡れても読める小説本なども置いています。

日本庭園に建つ、一棟建てのまるで別荘のようなプライベート客室。

草菴唯一「一棟建て」の客室「明治」は、その名の通り明治時代の古民家を利用。

クラシックホテルのようなゴージャスな赤じゅうたんの先にある客室

赤じゅうたんの階段を上ると、不思議と気分も高まります。

シンプルながら、日本庭園を一望できる和室棟。

室内はシンプルながら庭園に張り出したテラスが特徴。リピーターの多い和室客室。

さらに、最近リニューアルした「マイクロバブル」の出る特殊な装置を採用したジャグジー付きのお部屋。

大きなガラス張りの開放感あふれるジャグジーバスが何よりも魅力です。

まさに「個性的」といえる様々な種類の客室があります。

リピーターのお客様にはお気に入りのお部屋をいつもリピートされる方もいれば、違う部屋や、新しい部屋をあえて選ばれる方もいらっしゃいます。
「ここは、いつ来ても何かが新しいね」
そういっていただけることが、皆とてもうれしいのです。

ポイント3 プライベートなかけ流し温泉

草菴は、日本三美人の湯のひとつ「出雲・湯の川温泉」にあります。
湯の川温泉は、小さくのどかな温泉地で、温泉街もなく派手さはありませんが、温泉の質は素晴らしく、「源泉かけ流し」で楽しむことができます。
草菴では、温泉付き客室が6室、さらに貸切風呂が5か所あります。

追加料金・事前予約不要。草菴自慢の貸切風呂。
びっくりするほど贅沢な広さの温泉付き客室。

どの浴槽にもたっぷりと新鮮な源泉がそのまま注がれます。
湯の川温泉は、温泉の温度が50.2度のため、加水加温なく、浴室にそそぐ湯の量だけで湯温を調節しています。
また、初めての方には驚かれることもありますが、草菴にはあえて大浴場はありません。
じっくりと、心行くまで上質な温泉を独り占めしてください。
これは特に温泉好きの方にとって、魅力的な点ではないかと思います。

自分たちの宿の良さ、出雲の良さを再発見する

今回、改めて草菴だけでなく出雲にある色々なの宿のことを考えていくことで、自分たちの宿の良さについて再発見するきっかけになりました。

何気ない草花にも目を向けてみたくなる・・・

また、これは出雲という地域においても同じで、出雲の魅力をもっとお伝えできるように、普段から意識していきたいと思います。
例えば、いつも食べているローカルな食べ物。実は全国的にみると珍しかったりするものもあります。
また、一般的なガイドマップには載っていないけど、実は地元の人には大人気のレストランもあります。
私たちが日々当たり前だと思っている事でも、実はあまり知られていないレアな情報であるかもしれないということに気づき、そしてその情報を出雲へ興味を持っているお客様へ、発信していければと考えます。

19年目の草菴はこう変わる!

大手資本の進出を控えた19年目を迎えた今、いろいろと考え方が変わってきました。
「草菴としての魅力を発信すること」はもちろん、その先の「出雲という地域全体のことを考えていくこと」。そしてさらには「地球全体のことを考えていくこと」。
19年目にして、このように考えを広げていくことができてきたように思います。

一年の中で、一番人気のある「紅葉シーズン」。夕景は特に綺麗です。

さて、そんな草菴ですが、19年目に予定されている新しい取り組みには、以下のようなものがあります。

・サステナビリティを意識したアメニティ類の変更。
・環境に配慮した照明器具への更新。
・出雲のローカルブランドとして更なる確立。
・温泉付き客室リニューアル(3月に完成予定)
等です。

19年目も、小さな宿ではありますが、精一杯良い宿づくりに精進します。
ぜひご期待ください!





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