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ソーサツ・ホーシ・ツイッター・アーカイブ・プラス

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操刷法師が戦闘用twitterアカウント(@sosatsuhoshi)で議論した事柄に補足を加えて記録するもの。魔術について、欲望について、表現の自由について、文芸について。
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twitterアーカイブ+:ノーベル賞解説騒動に寄せて、アイデンティティとしての美少女キャラクター

 2018年10月の「『キズナアイ』のノーベル賞まるわかり授業」騒動は、私にとっても印象的な出来事だった。数年間表現の自由から遠ざかっていた私が運動に復帰し、本格的にネットで表現を擁護する書き込みを始めたのがこの時だ。最も人々の耳目を引いたノーベル賞解説記事の件と並行して、表現をめぐるいくつかの論争が重なっていた。

 炎上はほぼ一ヶ月の間続き、この時期は私の2023年3月現在までの十三年間のtw

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twitterアーカイブ+:小説『仮想美少女シンギュラリティ』感想:美少女と多神教

感想 バーチャル美少女ねむ『仮想美少女シンギュラリティ』を読んだ。これは『メタバース進化論』の第7章のファントムセンスの話を掘り下げたものだが、著者がメタバースを人類史上の革命と語ることの真意は『仮想美少女』で初めて明らかになる。よって、セットで読むべき。私はKindleは好きではないが……

(補足)なぜKindleが好きではないかと言えば、アカウント凍結などによって購入した本が読めなくなる可能

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twitterアーカイブ+: アバター人身売買騒動に寄せて:人権の範囲

事態の認知 2010年代の後半から2020年にかけての美少女表象をめぐる炎上案件は、私にとってほとんど千本ノックの様相を呈していた。異常な頻度で勃発する実存を賭けた闘争、炎上に次ぐ炎上、擁護に次ぐ擁護、その中で私自身の理論も洗練されたと思っている。

 2020年9月の「美少女アバターは人身売買」騒動もそのうちの一幕であったが、これは珍しく表現擁護派の優勢のうちに終結した騒動である。早期に政治家が

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