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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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#子どもの成長記録

第71話:ぬいぐるみ

第71話:ぬいぐるみ

[子育ての記録と記憶]

■3歳8カ月を迎えている亮太は毎日が楽しくなければ許せないらしく、何か遊びを探し、何かに夢中になっている。

遊びには必ずカミさんをひきずりまわし、悪いことをしているときだけは隠れてコソコソとやり、カミさんに飽きると外に出てバイクの分解を趣味とする隣の部屋のお兄さんに張り付き、アンパンマンとドラえもんを見ているときだけは静かだが、おなじみのCMはほとんど暗記していて、CM

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第56話:電車

第56話:電車

[ 子育ての記憶と記録 ]

  
子供を初めて持った頃
寝ている子供があんまり静かなものだから
ひょっとしたら
こいつ息をしていないんじゃないかなんて
夜中に幾度か起き出して
子供の息を確かめてみたり
時には抱き上げて頭を撫でてみたりしていた
大丈夫に決まってるって顔をして
いつでも子供はスヤスヤ眠っていたのだが
自分の胸に全てを預けている子供の重みは
いかにも無防備にコトンとしているのであって

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第154話:息子と射的

第154話:息子と射的

プレゼントをしたりもらったりするようになったのは、たぶんカミさんと知り合った頃からだと思う。子供の頃でも、例えば誕生日やクリスマスに親が何かを買ってくれるということもなかったし、逆に、自分が母の日に何かをやるとか、そんなこともなく過ごしてきてしまった。

昔の田舎のことで、そんな習慣も無かった。バレンタインデーなどというものが登場してくるのはずっと後のことだし、仮にあったとしても恐らくそんなものと

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第48話:認識

第48話:認識

[ 子育ての記憶と記録:1歳9か月 ]

1歳と9カ月を迎えているウチのガキこと亮太は、ただ今イタズラ真っ盛りで家の中を我が世の春と言わんばかりに暴れ回っている。

無論それは今に始まったことではなく、9ケ月で歩き初めて以来、思慮もないのに身体の発育だけは人一倍立派なこの怪獣に悩まされながら、僕らは一年に近い日々を送って来たことになる。
「他人の子は早い」と俗に言うが、全くその通りで、自分の子の成

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第38話:亮太の夏

第38話:亮太の夏

[ 子育ての記憶と記録:1]  

8月、亮太が生後8カ月を迎えている。ようよう「タッチ」が出来るようになり、「偉い。すごい」と声をかけると、ニコニコ笑いながら立っている。「ハイハイ」も大分上達し、部屋から部屋への移動も可能になった。何も出来ず、仰向けのまま泣くしか能のなかった頃に比べると天と地ほどの違いを思わせる進歩である。

不覚なことながら子供を持つまでは気づかなかったのだが、子供というのは

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