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父のこと

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#余命

余命の一週間が過ぎた

余命の一週間が過ぎた

平成30年10月下旬。

母、妹、私の三人で協力しながら毎日父の付き添いをしているうちに、余命を言い渡された一週間が過ぎていました。

父の容態は変わりなく、落ち着いているようにも見えました。毎週月曜日の早朝に採血をし、血液検査のデータを取っています。

ある日、担当の看護師さんより「ずっとベッドに寝てばかりいても良くないから、車椅子に乗ってみるのはどうか?」と話がありました。高熱が続いていました

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仕事を辞めて父の側にいる

仕事を辞めて父の側にいる

平成30年11月

父が入院する病院に毎日行くようになって1ヶ月が経とうとする頃、職場の上司から電話がかかってきました。

「さすがにこれ以上休めないよな。」

そう思っていたので、退職したい旨を伝えました。後日、職場へ挨拶に伺いましたがみんなが優しく労いの言葉をかけてくれました。人が少なくて仕事が大変な中、突然ご迷惑をおかけしてしまいました。私にとってたった一人の父。後悔したくないという気持ちを

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刺す血管がない

刺す血管がない

平成31年2月

だんだんと死が近づく父。

始めの頃は元気がよく、点滴を入れても自分で引っこ抜いてしまい、またいれてもらう。といったことを何回も繰り返していました。

食事もできず、痩せ細ってしまった身体。看護師さんから、「刺せる血管が見つからない。」といよいよ言われてしまいました。

ようやく点滴を開始しても、しばらくすると漏れてしまうのです。

そして、血管での点滴ではなく「皮下」での点滴を

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眠り続ける父

眠り続ける父

父の事を書くのは久しぶりになります。

前回の記事↓

お腹に針を刺す、皮下点滴を行うようになりました。

元気なく、眠っていることが多くなりました。車椅子に乗ることも少なくなり、本当に寝たきりの状態。

だんだんと、浮腫みが足や、手、体幹に出てきました。

そんな時、突然慌ただしくなる看護師さんたち。

「お父さんにCREという感染症があることが分かりました。通常、健康な人に移るということはあり

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