空の下のマサコ

故郷である日本と、家庭生活を営むアイルランドと、夫の出身国シリア。それぞれの、異質な当たり前が入り乱れた、日々の情景に、あたたかく人を招きます。新潟県の離島、佐渡出身。

影 (詩)

起きがけに 強い朝日を背に受けて 壁にうつった影と出会う 伸びた髪と 細った肩 ちょっとかしげた頭は動かず 体温すら持たない影が 小さなため息で呼吸をし 絞れば涙の一…

雨つぶ (詩)

雨つぶが 空の上から旅をして 私のもとへ落ちてきた 自分を生んだその雲に 抱きかかえられる事もなく ポツリポツリと生まれては 見知らぬ大地にただ向かい 望まれもせず …

ダーちゃんは走る

「こっちの道をいく?それともこっちがいい?」 ダーちゃんと一緒に、彼の小さな幼稚園への道を歩く。他の三歳児が歩かないと思われる距離を、ダーちゃんは駄々をこねる事…

朝のルーティーン

「ガオー!ぼくはトラだぞー」 私をこわがらせる為にすっかりトラになりきっている三歳のダーちゃんが、玄関のドアを開けた私に開口一番、低い声をあげて、我が家に入って…

とっておきの ひとつぶ (童話)

小鳥は今日も 木から木へ 大好きな 木の実を さがしゆく しげった 葉の下を くぐりぬけ たわわに実る 赤い実 「みつけた!」 細くて 高い木の てっぺんにも 大き…

トッポちゃん (童話)

トッポちゃんはね、オレンジ色した、くまのぬいぐるみ。 ぽわぽわした毛は明るくて、すきとおったオレンジの目が、ちょっとおどけて見えるんだ。 ベッドタイムの前にね、…