影 (詩)

起きがけに
強い朝日を背に受けて
壁にうつった影と出会う

伸びた髪と
細った肩
ちょっとかしげた頭は動かず
体温すら持たない影が
小さなため息で呼吸をし
絞れば涙の一粒くらい
出そうな姿でそこにいた

見つめられるために
影はあるのでなく
照らす光の強さを
表すためにあるようで

私は影を背にして
朝日の方に向き直る

光が真正面から私を迎えた

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