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ゲームを延期させたくなかったら、ケツを叩いてでも『仕様書』を提出させろ?!(ノベルゲーム制作講座32 仕様書編①)

仕様書とは、ゲーム中に使用する素材を図案や文章でまとめた書類。
イベントCGの発注は、シナリオを納品してから。
仕様書の素案は、ライターがまとめましょう。

不穏なタイトルですがとりあえず、スルーしてください(笑)

今回はプロット作成でも必要になる仕様書の書き方や、
作成する際の注意点などを「立ち絵、イベントCG」を中心に解説していきます。

前章でも説明しましたが、
ゲーム制作には必ず予算とスケジュールの制約がつきまといます。
仕様書は『制限』の枠組みに収まるように書いてください。


■仕様書とは?

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立ち絵、背景CG,イベントCGなど
ゲーム中に使用する素材の内容を図案や文章でまとめた書類。

「BGM仕様書」「SE仕様書」など
音楽やその他素材に対しても制作される。


■仕様書の書き方 : キャラクターの立ち絵

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©ALcot

ノベルゲームは、キャラの立ち絵との会話を楽しむゲームです。
ユーザーが一番目にする素材が立ち絵なので、
気を抜かずにしっかりと作り込みましょう。

立ち絵の差分には
「ポーズ差分」「服装差分」「表情差分」の3種類あります。

●ポーズ差分

ポーズ差分とは、横向き、正面の、後ろ向きなど
ポーズそのものを変化させた立ち絵差分のことです。

立ち絵素材のベースで、ポーズに合わせて
服装差分、パーツ差分、表情差分を制作します。
素体(ポーズデザイン)から新規に書き下ろす必要があり、
差分を1体作成するのにかなりの労力がかかります。

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©ALcot

●服装差分

服装差分とは、その名の通り衣装が書かれた立ち絵差分です。
上記のポーズ差分を基に作成されます。

企画の規模によりますが、
私服、制服、寝間着など3~5種類程度設定します。

他にも、「パーツ差分」というものがあります。
これはポーズ差分をベースとして、片手だけ角度を変える、
手にアイテムを持たせるなど、立ち絵の一部分を入れ替える差分です。
長髪⇒ポニテに変えるなどの髪型変化も、パーツ差分になります。

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©ALcot

●表情差分

表情差分はポーズ差分をベースとして、
キャラの表情データだけを入れ替える差分です。
喜怒哀楽など、表情差分の種類が多ければ多いほど、
表現できる感情の幅が広がります。


● 立ち絵仕様書を作成する時の注意点

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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)