舞台と時代背景を決めないと企画が炎上する!? 設定決めの5W1H(ノベルゲーム制作講座23)
世界観を作る上で最初に設定すべきなのが『時代』と『場所』。
文化や価値観の違いは、登場人物の思考にも影響します。
ゲーム素材は有限であると念頭に置き、季節も決めましょう。
前回、キャラクターの特徴や性格は生い立ちで決まると説明しました。
「このキャラはアメリカ生まれのヒップホップ育ちにしよう」
と決めたまではいいですが、『アメリカ』の設定が曖昧だと
「具体的には、何州の何処市生まれなのでしょう?」
「素人質問で申し訳ありません。
この『アメリカ』は、いつの時代の話ですか?」
「FF外から失礼します。
ヒップホップ育ちというのは、どういう意味ですか?」
と総突っ込みを受けます。
コメント欄が炎上したのは
「時代」「季節」「場所(物語の舞台)」が
定まっていないからです。
5W1Hの「いつ」「どこで」の設定を詰めて、
世界観の地盤を固めていきましょう。
地域や季節の設定は、後述する素材発注にも影響します。
■『時代』『場所』を設定しないと、文化や価値観を決められない
世界観を作る上で
最初に設定すべきなのが『時代』と『場所』です。
「西洋っぽい世界観」という設定だけでも、
西暦100年前後のローマと、西暦1500年代の宗教改革の時代では
習慣、宗教観や価値観が異なります。
舞台ではなく時代を「西暦1500年」に定めたとしても、
西欧と日本では文化が異なります。
現代日本を舞台にした場合でも、
47都道府県それぞれに文化が異なります。
東京が舞台でも、新宿と練馬では生活環境が異なります。
舞台や時代を未来、過去、異世界にした場合でも同じです。
SF作品なら、地球を離れて未開の辺境惑星が舞台になるかもしれません。
異世界転生ものでも
「舞台はゲームの世界」「タイムスリップしただけで同じ地球」
「地球と同じ文化だけど、別の惑星」
「完全な異世界」「平行世界だった」「誰かの妄想の中」
など、多種多様な世界があります。
文化や価値観の違いは、登場人物の思考や生きる目的にも影響します。
人が簡単に死ぬ戦乱の時代を生き抜かねばならないフランク王国の青年と、
平和な現代で暮らす日本の高校生では、隣人に抱く感情も異なるのです。
■『時代』『場所』を設定しないと素材発注できない
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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)