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ゲーム画面=劇場の舞台! 立ち絵を上手に出し入れして会話劇を盛り上げて(ノベルゲーム制作講座39 スクリプト編2)


立ち絵の最大表示枚数を考慮に入れて、会話劇を描く。
喋らないキャラは無駄に立たせない。
ゲームならデータとして役者を扱える。利点を活かそう。

前回説明したとおりスクリプトとは、
各種演出用の素材をゲーム内で表示するためのプログラム言語
です。
それと同時に、演出指示そのものでもあります。

舞台では役者自身が表情を整えて、情緒豊かにシーンを盛り上げます。
演出家がBGMの再生タイミングを計り、ここぞという場面で鳴らします。


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ゲームでは、
スクリプターが役者=立ち絵の表情をスクリプトで「セット」します。
BGMの選択と鳴らすタイミングも、スクリプターが「セット」します。

今回は演出のセット方法、具体的な演出指示のコツを説明します。

企画やジャンル、開発環境によって方法論は様々ですので
ここでは初歩的な「お約束事」を紹介します。
ト書きの書き方にも通じるので、ライター志望の方も参照にしてください。


■立ち絵素材を実装する前に

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ノベルゲームは立ち絵を表示させることで物語が展開していきますが、
画面に表示できる立ち絵の数は限られています。

コンピューターのメモリが許す限り表示できるのですが、
それだと動作が重くなりますし、立ち絵の表情も隠れて見えません。

ですので、画面の大きさと立ち絵のサイズを計算して
画面に立ち絵を何キャラ分立たせ(られ)るか、仕様を決めましょう。


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(フェイスウィンドウという特殊立ち絵もある)

立ち絵にも、
バストアップの拡大立ち絵、全身を表示する立ち絵、と種類があります。
「拡大立ち絵なら中央に一枚、全身絵なら3キャラまで」と
演出意図に照らし合わせつつ、仕様を定めましょう。


■立ち絵と台詞とト書き(演出指示)

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テキストを書く際も、
立ち絵の最大表示枚数を考慮にいれながら書きます。

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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)