地獄のデバッグとマスターアップ。手を尽くして修羅場を乗り越えろ。間に合わなかったら……(ノベルゲーム制作講座42 仕上げ編②)
デバッグとは、バグを見つけ手直しをすること。
マスターアップは修羅場! 様々な手を尽くして間に合わせる!
発売2週間前までが勝負! 販促スケジュールは計画的に
前回は、アフレコにおけるシナリオライターの役目
について解説しました。
シナリオやCG、BGMなどの素材、
アフレコ(音声ファイル納品)、スクリプトが終われば、
いよいよゲームは開発も大詰めです。
今回はマスターアップ作業について解説します。
マスターアップ間際は修羅場だとよく耳にしますが、
本当にそうなのでしょうか?
■開発もいよいよ大詰めです
必要な素材が揃ってきた開発終盤。
スクリプト作業もいよいよ大詰めです。
発売日の一ヶ月前にマスターアップを行い、
時間に余裕をもたせて予約をしてもらう、というのが理想の流れです。
(コンシューマーだと、プラットフォームの
チェックが入るので
2,3ヶ月前にマスターアップをします)
ですが、何事も予定通りにはいきません。
連絡ミス、家庭のトラブル、災害やヤル気など
様々な要因から、スケジュールをオーバーしてしまいます。
ですがですが、締め切りは待ってくれません。
延期を行うと単純にランニングコストがかかります。
信用もガタ落ちでしょう。
■マスターアップ前の悪あがき
スケジュール通りにいかなかったらどうするか。
知らないのか?
回避方法としては、2パターンあるんだ。
ひとつ目が
「修羅場進行」です。
残業を増やして、
何とかして納期に間に合わせるわけですね。
最近は何かと問題になっているので、オススメはしません。
計画通りに進むように予めスケジュールを調整してください。
(それができれば苦労はしない……)
もうひとつの裏技は
「作業人員を増やす」ことです。
バイトや外注さんを雇い、
人手を増やすことで作業時間を短縮するわけです。
物理的な工数がかかるデバッグ、塗りの作業は、
天才の閃きでどうにかなるものではありません。
人員を増やすことで対処しましょう。
もちろん費用は倍かかります。
■発売延期という最悪の選択
「様々な手を尽くしたけどもうアカン!」
「万策尽きた!」というときは、
発売延期を検討しなくてはなりません。
納期が護られないと
クライアント(様)へ違約金を支払うことにもなります。
ランニングコストもかかり、ブランドの信用度も下がります。
ですが、できるだけ早く撤退の判断を下せれば、
致命傷は避けられます。
進行管理をしているディレクターは、
作業の遅延を把握しているはずなので、
納期が遅れそうなら事前に追加の人員を確保したり、
担当者をせっつきましょう。
最悪のパターンは、
締め切り直前に「できてません」と言われること。
そうなるとリカバリーも行えません。
「一週間前に言ってくれれば間に合ったのに」と嘆く前に
こまめな進捗確認を行いましょう。
(人によりますが)作業の遅れで怒られることはありません。
お互い不幸にならないよう、
仕事を請け負う側のクリエイターさんも、
正直に&早めに作業状況を報告しましょう。
私の個人的な感覚ですと、
作業状況を正直に報告してくれたり、
繁忙期(コミケ前とか)を予め教えてくださる
クリエイターさんは納品をきちんと守って、
作品の質も一級品であることが多いです。
■修羅場モードを切り抜けた!
どうにかして納期を間に合わせることができれば、
マスターアップは目前です。マスターアップの流れは……
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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)