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食の風景「ほうれん草の白和えはうら若い春のお味」


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茹で上がりの法蓮草。もう美味しい予感がしますね。葉は目の覚める様な深い緑色湛えた見事なグラデーション、根元は鮮やかな紅色をしています。全く奇麗なお色です。一回目は外の植え物に上げるのでバケツの中で、土を落とす様に隅々まで丁寧に洗います。二回目はシンクで、葉から根元まで水道水をかけて仕上げすすぎのイメージで洗います。出来ればこの時のお水もボールなどへ取っておいて、後で水遣りに使います。根の底の汚れが酷い場合、そこだけ薄く切り落として、後は全て頂きます。今日の法蓮草は鮮度が良く、捨てる処はありませんでした。

さて、今日はこれを白和えで頂きます。朝起きて、今日は菜の花の白和えを作ろうと思い立ち買い物へ出掛けたのですが、菜の花がありませんでした。けれど法蓮草や小松菜、スナップエンドウも豊富で、一寸迷います。仕上がりを想像して今日は柔らかいイメージでいますから法蓮草に決めました。

絹ごし豆腐一丁と、法蓮草一袋分。先に豆腐の水分を切ってボールへ入れ、適当に潰しておきます。こうする事で余分な水分が出て来ます。豆腐の周りに水溜りが出来たら、もう一度水を切っておきます。そこへ二センチ程に切った法蓮草を一束分全部入れます。菜箸で法蓮草と豆腐をざっくり混ぜます。

味付けです。今日はエビの旨味を含んだ出汁の素を使う事にします。そこへ塩だけですと苦味を主張してしまうので、胡椒を気持ちだけ、更に味見をしてから、醤油で仕上げました。

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新しい器へ盛り付けるのに、丁度良い量を研究中です。食いしん坊の自分は、なんでも器一杯に盛ってしまう悪い癖があります。大家族の名残りとも云えますが――そう云う事にしておいて下さい。


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全部でこれだけできました。左の薄青の器の方は作り置きおかずです。冷蔵庫で保存して、これで三日分の副菜になります。時間が立つと豆腐の水分が出て来ますが、旨味や栄養を含んでいます。混ぜると元通りになりますから、捨てずにそのまま頂きます。


それではお昼ご飯にします。「いただきます」

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今日の献立は、「ほうれん草の白和え」「アボカド、キムチ、刺身わかめ、メンマ、茹で玉子盛り合わせ」「牡蠣フライ」「昆布の佃煮」「黒米と麦入りごはん」「舞茸としめじの野菜汁」「納豆」です。左下の小鉢の納豆。納豆をですね、昔は親の仇かと云う程に、混ぜて混ぜて、していましたが、今は緩く、二、三回、で終わりです。泡立てません。本当に、何故あれ程箸を立ててぐりぐりやっていたのかと思います。

白和えのお話でした。そう、法蓮草が、とても柔らかい。青臭さは全くありません。大変美味しく、根元は甘味も含んでいます。お豆腐のまろやかさと相まって、今日も美味しく出来上がり、満足の一品となりました。


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「ごちそうさまでした」

                           いち

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