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長編小説「KIGEN」

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「AI×隕石×大相撲」 三つの歯車が噛み合ったとき、世界に新しい風が吹きました。 それは一つの命だったのか。それとももっと他に、相応しいものが、言葉が、あるのだろうか― 小学校5…
ようこそいち書房へ。長編小説はお手元へとって御自分のペースでお読み頂きたく思います。
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2023年5月の記事一覧

「KIGEN」第十八回

「えっ、ちょっと、三河さん!まだ台詞考え中ですって」 「ぐだぐだ考えたってつまらんだろう…

いち
1年前
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「KIGEN」第十九回

 いちごうの不調の原因ははっきりしないままで、現状のいちごうにどの程度の検査が可能か、ロ…

いち
1年前
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「KIGEN」第二十回

 ガレージとばかり思っていた建物へ足を踏み入れて、中身の全く違ったことにまず驚かされた。…

いち
1年前
59

「KIGEN」第二十一回

 奏は首を振った。掃除に時間を割く分も研究していたいのが本音で、また指で摘まむのも苦労す…

いち
1年前
56

「KIGEN」第二十二回

「いちごう君の突然のシャットダウンは、彼の内部で、例えば電子回路を遮断するもの、要するに…

いち
1年前
53

「KIGEN」第二十三回

 若き研究者の背負った現実があまりにも非現実的で、その苦悩を思えば下手に口を開けない。何…

いち
1年前
59

「KIGEN」第二十四回

「分かったから落ち着けよ。何を前提にした発言か知らんが、国を端から敵視するなよ。まだ何も起こってないんだ。それに元々は国の極秘プロジェクトだと聞かされたんだ、本当に国家プロジェクトになる可能性だってあるんだぞ。奏氏主導で動けるのなら、それは決して悪い話ではない」  奏は大人たちの議論へ耳目を傾けながら、自分が今後どう動くべきか、いちごうにとって何が最良かを考え続けていた。その場しのぎで偶々口へ出した「国」の存在が、彼等のような宇宙相手の大規模な組織の人間の口から出ると、急に

「KIGEN」第二十五回

四章 「結託」  チームリーダーの矢留世から報告を受けた本部は騒然となった。単純明快なミ…

いち
1年前
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