「KIGEN」第二十四回
「分かったから落ち着けよ。何を前提にした発言か知らんが、国を端から敵視するなよ。まだ何も起こってないんだ。それに元々は国の極秘プロジェクトだと聞かされたんだ、本当に国家プロジェクトになる可能性だってあるんだぞ。奏氏主導で動けるのなら、それは決して悪い話ではない」
奏は大人たちの議論へ耳目を傾けながら、自分が今後どう動くべきか、いちごうにとって何が最良かを考え続けていた。その場しのぎで偶々口へ出した「国」の存在が、彼等のような宇宙相手の大規模な組織の人間の口から出ると、急に