栗日記 リハビリ編61
難しく物事を考えないようにする。
私が物を難しく考えるようになったのはいつからだろう。
単純なもので、難しく考える時間や体力がない時は考えなくて済む。
考えないためにアルコールの力を借りることもあると思う。
もともと物を深く考えるような人間じゃなかった。
今までの人生から言って、私は間違いなくおつむが小さいほうの人間だ。
退職して、そのうち眠れなくなって、睡眠薬を処方してもらって、抗鬱剤や睡眠薬を一気飲みして、閉鎖病棟に入院し始めてから物を考える時間が増えた。
病院に入って、周りからあらゆるものが排除された環境で、やっと物を考えるようになった。
その頃から本も読むようになった。
ある程度考えればそのうち
“これ以上は考えても時間の無駄ですよ”
と言えるラインにぶち当たるように思う。
精神科に入院している間はずっと、ルーズリーフに自分の考えたことを書き留めて家族にLINEで見せたりしていた。
それも途中から
「同じことを繰り返し書いているだけ」
と母から指摘された。