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こどもの読みもの

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こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
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2021年10月の記事一覧

車のいろは空のいろ

車のいろは空のいろ

あまんきみこ 1968

八編からなる連作短編集。
空色のタクシーの運転手、松井五郎さんが主人公です。

①小さいお客さん
お客さんを乗せた帰り道。二人の男の子に助けられ車の故障を修理する話。
お礼に松井さんは二人を乗せ、喜ばせます。
別れた後、客席を見ると細い金色の毛が・・・・

②うんのいい話
魚たちが人間に釣られた仲間を取り返す為にタクシーを追いかけて来る話・・・・

③白いぼうし
松井さん

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怪人二十面相

怪人二十面相

怪人二十面相
江戸川乱歩 1936

・・・・その頃、東京中の町といふ町、家といふ家では、二人以上の人が顔を合はせさへすれば、まるでお天気の挨拶でもするやうに、怪人「二十面相」の噂をしていました。「二十面相」といふのは、毎日々々新聞記事を賑はしている・・・・

怪人二十面相は変装の天才で神出鬼没、貴重な美術品を所有する富豪に狙いを定めると、必ず予告状を出してから、その通りの日時に盗みとるという、大

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吉里吉里人

吉里吉里人

井上ひさし 1981
上野発仙台行きの夜行列車「十和田3号」が突然急停車。猟銃を構えた男たちが乗り込んで来た。
東北の一寒村、吉里吉里村が突如日本から分離独立を宣言、「吉里吉里国」を名乗ったのだ。たまたまこの列車に乗り合わせた三文作家の古橋は、ネタを掴む千載一遇の好機とばかり、同行の編集者共々この「小国」に外国人として滞在することを申し出る。

吉里吉里国は誕生から崩壊まで僅か36時間ですが、あり

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吸血鬼ハンターD

吸血鬼ハンターD

菊池秀行 1983

西暦12090年。
地球は中世を思わせる暗黒時代。二十世紀末の全面核戦争により人類がほぼ壊滅した後、新たに地上の支配者となったのは吸血鬼たちであった。彼らは、生き残りの人類を使役する「貴族」として繁栄の日々を送る妖魔。その妖魔との戦いを金で請け負うハンター、中でも最強な存在・・・・それが「吸血鬼ハンター」である・・・・。

人間と吸血鬼とのハーフという宿命を背負って放浪の旅を

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