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怪人二十面相

怪人二十面相
江戸川乱歩 1936

・・・・その頃、東京中の町といふ町、家といふ家では、二人以上の人が顔を合はせさへすれば、まるでお天気の挨拶でもするやうに、怪人「二十面相」の噂をしていました。「二十面相」といふのは、毎日々々新聞記事を賑はしている・・・・

怪人二十面相は変装の天才で神出鬼没、貴重な美術品を所有する富豪に狙いを定めると、必ず予告状を出してから、その通りの日時に盗みとるという、大胆不敵な盗賊だった。

麻布に大邸宅を持つ羽柴家。ロマノフ王家の宝冠を飾ったダイアモンド六個を頂戴に参上する、という二十面相からの予告状を受け取り、あらゆる手段をとって備えたにも関わらず、見事に宝石を奪われ、息子の壮二君まで誘拐されてしまった。そして身代金がわりとして、今度は国宝級の観世音像を要求された。
困った羽柴家では警察とは別に、探偵に解決を求める決断をする。
高名な探偵の明智小五郎に電話で仕事を依頼したところ、明智は留守dw、やってきたのは助手だという、十二、三歳の小林芳雄少年だった。・・・・。

怪人二十面相。紳士的な人物、明智小五郎。小林少年を団長とする少年探偵団。

みんな、今、どこにいるのでしょうね。
推理小説の面白さを教えてもらいました。

怪人二十面相は、きっとどこかに、近くに、いるはず。

・・・・どんな明るい場所で、どんなに近寄ってながめても、少しも変装とはわからない、まるで違った人に見え、老人にも若者にも、富豪にも乞食にも、学者にも無頼漢にも、イヤ女にさえも、まったくその人になりきってしまうことが出来る・・・・

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