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短歌集の制作過程vol.1

こんにちは。成瀬です。今回は制作中の短歌集についてのお知らせです。現在募集中の「メンタルヘルスと日常」をテーマにした短歌がだんだん集まってきており、とても嬉しく思います。

おかげさまで、総計150近い短歌が集まりました。誌面はまだまだ都合がつきますので、締切の8月末日までに、ご参加いただけますと幸いです。いただいた作品を都度確認させていただきながら、皆様の色あいが混じりあう素敵な短歌集にしなければ、とより一層感じています。

「メンタルヘルスと日常」

これはとても広いテーマだからこそ、みなさまの生活や心に秘めている想いがつまった作品が届きます。希望のみえない世界のなかのうた、理不尽に対する怒りのうた、周囲のひとに迷惑をかけてしまうことを詫びるうた、福祉制度や支援者に対する実直な想いが綴られたうた、さびしさや後悔のうた、愛情や友情を大切にかかえているうた、回復やリカバリー、希望のうたなど・・・枚挙にいとまがございません。

わたしもいろいろな方の作品を読ませていただきながら触発されて、いろいろな短歌を詠んでたのしんでいます。きょうはその一部分を掲載しますので、よろしければ雰囲気を掴んだり、純粋に読みものとして楽しんでいただければと思います。

病める日も 愛することを誓います そう言ったのは 病いそのもの
医師が言う「就労不能」の烙印に 実はひそかに救われている
誰よりも あなたがわたしを救ってくれた ホワイトボードと不安げな顔

容赦ない そのやり方がすきだった マンドラゴラでも引き抜くような
関係に 福祉と名前がつくうちは 対等からは程遠いのだ
飲み慣れた 薬の効果がわからない 医学が作った こころのかたち

この傷が 回復と夢を結びつけ いのちに刺繍を施している
深刻な傷を抱える仲間のことを 率いるわたしも無理をしている
向かいあい 話し尽くしたふたりの世界 面会室の硝子は砕けた

隙あらば いのちの隙間を かき乱す 凝縮された希死念慮
痛いのも 苦しいのもイヤ そんなもの いままでずっと味わってきた
「がい」の字を いじくったって変わらない そんなことより話をきいて

仄暗い世界で育ってきた僕は 頑張り屋さんになりすぎちゃった
わたしまだ死にたくないよと抗って 飲みくだす薬はやく効いてよ
赤色灯 よぎる不安は 友のこと 友もおなじく わたしのことを

短歌が苦手な方は詩作品やイラストも募集しています。製本はフルカラーの予定です。挿絵にご協力いただける方は空色のメールアドレスにご連絡ください。(ただしいずれも「メンタルヘルスと日常」に沿ったものをお願いいたします)

再度の告知となりますが、短歌の募集は8月末日となっております。かけこみでもかまいません。応募に際しまして、noteのお知らせ記事とフォームに記載の注意事項に目を通していただきますようよろしくおねがいいたします。皆様の思いのこもった作品をぜひお寄せください。こころよりお待ちしています。

ライター 成瀬


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