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20230710 認知療法の入門書として・・・双極性障害との付き合い方

今も通っているクリニックに初めて出かけ、診察を受けた際に、精神科医の大野裕さんの本を薦められた。
その本が、これである。

自分で不安な状態から脱するにはどうすればいいのか、それをスキルとして実行することができるように書かれた本だ。
クリニックにリハビリで行われている認知行動療法の一部も、この本に書かれているコラム表を取り組んでいる。
自習帳と帯にも書かれているように、自分で行動する必要がある。
だから、ただ本を読めば心が晴れるか?というと、そうではない。
認知療法は、自分の頭の中の状態を自分自身で整理整頓していくことが必要なのだ。
それは、かなり難しい。
学習でも何でもそうだが、集団で取り組むことで効果的な場合があったりする。
だから、クリニックでは集団でこれを取り組む集団認知行動療法をおこなっているというのが理解できる。

さて、クリニックをひとまず卒業し、復職して働くことができている。
しかしながら、だんだんといい加減になる部分もある。
だから、クリニックには定期的に出かけるし、リハビリにも参加する。
原点に戻る感じでもある。
しかしながら、スケジュールが立て込んでクリニックに行けない状態になることもある。
そうした場合に、一つ自分を振り返ることのできる物があると、精神的な安心感につながる。

その一つが、この本だ。

どうやらアマゾンではキンドルのせーるをしているみたい。
紙の本としては絶版になっている様子。
これまでに大野裕さんが書かれた本の中では、内容は薄いという印象はあるが、これまで休職期間中の2年2ヶ月にリハビリで取り組んできたことや、復職後も取り組んでいる自分を振り返るということの手助けには、十分といったところだろう。

自分に対して声かけをするための言葉が簡潔に書かれている。

この本だけでは、おそらく心が晴れたり鬱が軽くなるようなことはない。
そこにたどり着くには、自分の特性をしっかりと理解し、自分の認知や思考の癖にどんな特徴があるかを把握するという作業が必要。
そうしたことに取り組んでいくうちに、自分のいいところや、これまで特性の中でも長所を工夫として活用し生きてきている自分の姿が見えてくる。
それが、鬱にならないための大きなヒントとして理解できる。
そこまでメタ認知ができると、この本はとても大きな力となる。
アマゾンの書評を読んでいると、低評価もあったりする。
内容が薄いというものもあった
しかし、エッセンスはとても濃密なのだ。

大野裕さんが提唱するコラム表を使いこなせるようになるにはかなり練習が必要。
認知療法をリハビリで取り入れている病院があるのならば、そうした病院で練習させてもらえばいい。
数を繰り返し、いろいろな人の意見を聞きながらコラム表に書いてあることを深掘りしていくことで、自分をコントロールする力はついてくるのだと思う。
何も練習せずともできる人もいる。
しかし、双極性障害や鬱傾向になりがちな自分は、練習が必要だった。
しかも、継続的に行う必要もある。

今日は、隙間時間にこの本を読んだ。
自分のことをアウトプットするための物差しになる。
そして、自分の心持ちを穏やかにし、そして自分で自分の凝り固まった心をほぐすことができた。

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