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デジタルへの道・2

31会議網(31Event)セミナーから分析、オンライン、オフライン、ハイブリッド化の拡大とは?後編

31会議網(31Event)セミナーの中国のオンラインイベントを全2回に分けてレポート、後編です。

前編はこちら

毎年3/1、3/2に31开会网が主催しているセミナー、2021~2022の中国国内の展示会業界の動向分析、後半はバーチャルイベントや持続可能なイベントについてレポートします!

イベントにもNFT、上海浦東新区科幻協会


2019年に上海浦東新区に「上海浦東新区科幻協会」が上海浦東新区科学技術協会と民生局の管理を受け、業界の発展や技術交流、学術研究、関連業界の融合を目的とした専門性、公共性、非営利性社会協会として設立しました。オンライン展示会、バーチャルイベントを重視していることや人材育成などが設立の背景のようです。
http://www.shpdsfa.com/

今回のセミナーでは元宇宙(メタバース)、科幻=SFやNFTについても触れ、これからのデジタルイベント人材の育成にとって重要なキーワードとの見解でした。

NFTとイベントのつながり、未知数ですがNFTアートを一例に触れておきます。

NFT=非代替性トークン
(Non―Fungible Token、ノン ファンジャブル トークン)
偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータのこと。暗号資産(仮想通貨)と同じく、ブロックチェーン上で発行及び取引されます。
従来、デジタルデータは容易にコピーや改ざんが出来るため、現物の宝石や絵画などのように資産価値があるとはみなされませんでした。


NFTのメリット

  • 替えが利かない

  • 改ざん、複製画きわめて困難

  • NFT所有、所有証明が可能に。ただし知的財産権(著作権など)は所有することにはならない

  • アート作品の「所有者」を明確に証明することが可能

これらのことから
デジタルデータはコピー、複製がしやすいので所有者を明確に出来るのは特別感があり唯一無二であることから急速に広まっていきました。

イベント業界でも、NFTアートのようにイベントの方法やスタイルそのものがNFTとなりうる可能性やイベント主催、開催において科学(科学)、科学技術(科技)、SF(科幻)は避けられない、積極的に取り入れるためにメタバース(バーチャル空間などの)業務リーダーは幅広くデジタルについて知見を広めることを推奨していました。

実際にVR、3Dを使ったゲームイベント成功例の紹介もあり、現状オフラインでリアルに集客してイベントを開催するのが困難なため、取り入れるメリットについても言及していました。

Epic Games 游戏史的虚拟演唱会《堡垒之夜》
2021年8月に開催された世界的大人気オンラインゲームの「Fortnite(フォーナイト)」のバーチャルコラボ音楽イベントです。

アリアナ・グランデが、フォーナイトのイベントでライブを開催、
8分×5公演、述べ2,770万人が視聴したということで話題になりました。
※アリアナ・グランデの公式YouTubeチャンネルにアーカイブが残っているようです。

メリット

  • 世界中好きな場所からネットで参加可能(8分×5公演、述べ2,770万人)

  • バーチャル空間の為オフラインイベントに比べ準備期間が短い、少人数、低コスト、建材が少なくて済むので環境に配慮している。

  • イベント終了後はアーカイブ視聴などイベントの記録を残すことができる。場合によっては収益化も。

からの・・・今回の裏目玉、次の持続可能なイベントとは?につながっていきます。

持続可能(SDGs)なイベント、脱炭素を強烈に意識


ここ数年、特に上海で中国輸入博覧会開催が決定した2018年ごろから中国国内では「緑色化(リースゥーフォア)」「エコロジー」「クリーン」「安全」のキャッチコピー、スローガンを掲げ、耳にすることが増えました。

それと同時に、展示会ブースで使用可能な建材への規制も以前に比べると格段に厳しくなりました。

例えば、カーペット
10年以上前に中国で展示会ブースを参観や設営に携わった人はご存じかもしれません。

当時は低品質で、伸びる、破れる、燃えるとかなり低品質で、展示会会期中にカーペットの破れを補修するのが日常茶飯事。ひどいときはカーペットを2枚重ねにしてブース内に敷設することもありました。クレーム処理の電話はカーペット補修が何件も・・・なんて痛い思いも数え切れず。
その後、厚さ5ミリ、少し毛足の長いフカフカなものが主流になり、現在は防炎加工を施したものでないと使用できないことが多いです。カーペットのメーカーや防炎加工の証明書の提出が必要で、年々厳しくなっています。

スチロール文字
いわゆる発泡スチロールの切り文字です。
軽くて価格も手ごろですが、燃えやすく防火、消防の観点から大都市では使用禁止になりました。

代替えとしてフォーレックスボード、コルトン(プラスチック、アクリル製の箱文字、再利用可能)立体にしない場合はカッティングシートのみを使用するブースが増えています。

2021年に上海展示会協会のオンライン会議に出席した際もSDGsに触れ、環境に配慮した展示会の規格化、建材の規制などにも触れていました。これからは使用する下地の木材、装飾用の表面素材への規制も厳しくなりそうです。

もしかすると木工ブースは禁止になる日もそう遠くはないかもしれません。
「緑色化」で粗悪な素材も淘汰され始めています。

中国の脱炭素政策3060双炭(ダブルカーボン)を目標に掲げているため
イベントの在り方も大きな変化が求められているようです。

ダブルカーボンとは?

  • 2030年までに二酸化炭素(CO₂)排出量をピークアウトさせる

  • 2060年までに二酸化炭素(CO₂)排出量を実質ゼロにする
    カーボンニュートラルを目指す。

そのため、オンライン化を早急に普及させたいという意図も感じます。
人も少なく、使う素材も少ない、かつオフラインに比べ多額の売り上げを出せる。
オフライン、オンライン、ハイブリッドで3通りのビジネスチャンスがあるのも大きな利点ということを強調していました。イベント業界も過渡期です。

オクタノルムやマキシマのブーム再燃、もしくは更に画期的なシステム素材が出現するかもしれません。

この2年で、SNS広告、SNSの企業運営、自社オンラインセミナー開催、デジタルショールームなどの新しい技術を積極的に導入した業務も増加しています。

こちらのシリーズでは、引き続きデジタル化についてご紹介していきます。

最新の中国展示会ビジネス情報は、SOPHIADISPLAYにご相談ください。