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具体例が増えた

『水曜日は働かない』を読んだ。

どうやらこの本はnoteで書かれた記事をまとめた本のようだ。

3章立ての本になっている。初出を見るとnoteの投稿順になっていないのでまとめやすいように編集されたのだろう。

帯文には成田悠輔さんの推薦文がある。「これは社会批評なのかただの日記なのな? もちろん両方だ。もっとも個人的なことこそもっとも公共的なのだから」と。

確かに読んでいると1章は日記。2章は社会批評が書かれている。3章は対話・著者のこれからのことについて書いてある。どれもコロナ禍の話だ。

面白かったのは1章の日記の部分。

著者は水曜日に編集者と喫茶店でゆっくりしてから、10kmのランニングをする(編集者は自転車で並走)。それからどこぞの飲食店で昼間から飲む(編集者は寿司を酒なしで、食べることにいけすかないようだ)。そんな生活をしていることはよく分かった。

2章は社会批評なのだが、作品を知らない作品はピンとこなかった。押井守、坂元裕二、エヴァンゲリオン、テラスハウスなんかが書いてあった。

3章の中の個人の悩みとして、書けないことが挙げられていた。

井上敏樹さんからのアドバイス。

一箇所だけ、凝って書け。できれば出だしが良いが、それが難しいならどこでもいい。一箇所、凝って書いて、気に入ったものが書ければあとはすらすら書けるはずだ――。

p229

以前、会話・読書感想文も「1つのことだけ」に焦点を当てることが大切なことを書いた。

この井上敏樹のアドバイスも同じ内容だった。自分としては、「ポイントを絞る」ことについての具体例が増えたと思った。

本書の本筋とは全く関係ないことなのかもしれないが、こういうところばかりに目がいく。たとえ本筋でなくとも、こまかなつながりで何か身につけばいいと思っている。


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