防災と福祉の垣根を超えたい

「避難行動要支援者」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

高齢者や障がい者、妊産婦、外国人など、災害時の避難の際に特に支援が必要な方々のことを「避難行動要支援者」と呼びます。
東日本大震災を受けて、平成25年の災害対策基本法改正で、すべての市町村に「避難行動要支援者名簿」の作成が義務付けられています。

また、震災以降も、度重なる地震や風水害で、高齢者や障がい者が犠牲となっていることから、令和3年の法改正で「避難行動要支援者の個別避難計画」の作成が市町村の努力義務と位置づけられました。
「個別避難計画」とは、災害時に、誰と、どこに、どのように避難するのかを、あらかじめ一人ひとり定めておくもので、特に優先度の高い方の計画は、概ね5年以内(令和7年度末まで)に作成することになっています。

「個別避難計画」の作成にあたっては、その性質から、市町村の防災・福祉などの部局が連携するとともに、ケアマネージャーや相談支援専門員などの福祉専門職、民生委員、自治会、自主防災会などの地域住民と連携し、実効性のある計画作成が求められています。



瀬戸内市では、令和5年度から本格的に計画作成に取り組むため、今年度は福祉専門職の方々との連携体制づくりに取り組んでいます。

予定では、令和5年度のはじめに計画作成に関する説明会・研修会を開き、夏前頃から本格的な動きが作れたらと思っていますが、その前に、もっとざっくばらんな、課題を共有しあえるような「交流会」を、今年度中に企画したいと思っています。

計画作成の取り組みは、「共生社会の実現」に向けてとっても大切な一歩になるのではないかと考えていて、福祉専門職の方々や住民の方々との連携体制を、「単に計画作成のためだけの関係にしたくない」と思っています。

「説明会・勉強会」という形で行政が主催してしまうと、固くなりすぎるというか、逃げ場がなくなってしまうというか。
命に関わる取り組みなので、真剣に取り組むことは前提なのですか、受け手としては押し付けのように感じる場合もあるのかなと思っています。

僕たち行政側は押し付ける気なんてなくて、防災的な視点と福祉的な視点の双方から意見を出し合って計画作成を進めていきたいし、この取り組みをきっかけとして、防災と福祉の垣根を超えた関係づくりが進めばいいなと思います。
そのために、「顔の見える関係をつくる」「機運を高める」という目的で「交流会」を計画したいです。


と、理想を語ってはいるものの、具体的にどのような会の中身にするかは考え中で、昨日も上司を2時間近く拘束して相談したし(すいません…笑)、今日も福祉部局の担当者に意見を聞いてみようと思っています。
一朝一夕にはいかない取り組みなので、じわじわと形にしていければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?