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【書籍紹介】星の王子さま

「最近精神的に疲れている」
「何事も純粋に楽しく感じる事ができなくなった」
など。大人になってから人生に疲れを感じてしまう方に向けて。

今回は、サン=テグジュペリ (著) / 内藤 濯 (翻訳) 
「星の王子さま」について、読んでみた感想と書籍の紹介をさせていただきたいと思います。


主人公はパイロット

主人公は「星の王子さま」ではないんです。アフリカ大陸の砂漠に不時着した「パイロット」が本書の主人公になります。

砂漠に不時着したパイロットは「星の王子さま」に出会い、星の王子さまが自分の星から地球に来るまでの話を、順序立てて聞いていく。というのが本書のメインとなる部分になります。

その、地球に来てパイロットと出会うまでの過程で王子さまは様々な経験をします。

本書の大きな魅力の一つとして、その経験談を隠喩として捉える事ができるということです。経験談を通して「大人になって忘れてしまったもの」「子供の頃の感覚」が頭を駆け巡るような感覚を得ることができます。


見えない部分が大切であること

本書の中でsomekichiが大好きな一節があります。

「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ・・・・・」

この一言に大事な教訓が詰まっています。外見からは見えない部分だけど、その魅力を知っていることが大切であり、「外見で判断せずに、中身を見なさい。きっとあなたにとっての魅力が見つかるから」という教訓がこの一説には込められているように感じました。

これは、人だけでなく万物に共通する考え方だと思いました。「側から見ていること」と「経験すること」で感じる魅力は大きく違ってきます。やってみて気づく魅力。話して見て気づく魅力。愛でることで気づく魅力。時間をかけることで気づく魅力。

自分なりの「長所を見つける力を磨く」ことこそが、人生を豊かに彩っていく為のコツであることが、この一節で学ぶことができる大きな教訓だと感じました。


重みのあるストーリー

somekichiは子供の頃に、この「星の王子さま」を絵本で読んだことがありましたが、実際に大人になって読む「星の王子さま」は完全に別作品でした。

少し上で挙げている「井戸の話」のような隠喩が、数多くこの書籍には散りばめられています。この隠喩は本書の大きな魅力の一つであり、読者一人一人にとって捉え方が大きく変わります。

人によっては楽しい話に思えるかもしれません。人によっては悲しい話に思えるかもしれません。

自分がこのストーリーを通じてどのように感じるか。自分の歩んできた人生に照らし合わせてどのように考えるか。

読みながら様々な感情と同時に、自分の人生と向き合わせてくれるような素敵な作品となっています。


2回楽しめる

著者のサン=テグジュペリは、作家であると同時に「パイロット」だったのです。つまり、主人公のパイロットは著者の「写し」という捉え方をしながら読むことができます。

この事実を知ってから読むと、パイロットが著者に見えてくるため、違う視点で物語を楽しむことができます。

1回目は純粋に読んで、2回目に「パイロット」に作者を投影することで、2度楽しむことができるので、オススメな読み方です。
※もちろん最初からパイロットが著者という読み方でもとても楽しめます。


まとめ

今回は、サン=テグジュペリ (著) / 内藤 濯 (翻訳) 「星の王子さま」について、改めて小説版を読んでみた感想と本書の魅力を書かせていただきました。

本書は「一見子供向けに書かれた本」に思いますが、現代の疲弊した大人達にこそ、是非手にとって読んでいただきたい一冊となっています。

また、お子さんがいらっしゃる親御さんも、お子さんに読み聞かせながら親子で大切な価値観を共有することができるかもしれません。

是非、自分に余裕がない時こそ、本書を読んでみることをオススメします。自分にとっての魅力を本書から見つけ出せることを願って、感想とさせていただきます。

ここまで本記事を読んでいただきありがとうございました。



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