BtoB業界で勝つためのFacebook広告のクリエイティブ、ターゲティングのコツとは?
Facebook広告では最近「BtoB業界」がきている!との噂を聞きつけ、早速、取り組み事例を聞いてきました!
6か月間で月間獲得件数が4倍に成長
─── 自己紹介をお願いします!
大長:Facebook広告の配信設計、クリエイティブの制作から運用まで、一貫して行なっています。担当している案件は、BtoBやECのお客様など様々です。私は特に、とがった訴求や、広告コピーを考えるのが好きですね。
─── ありがとうございます。では早速、BtoBのお客様との取り組み事例の概要を教えてください!
大長:今回お話するのは、会社の福利厚生サービスを全国向けに展開されているお客様との取り組み事例です。4月から私がFacebook広告を担当しており、CVを約4倍に増加させることができました。
─── BtoBならではの難しさもありそうです。どうやって運用されてきたのでしょうか?
大長:チーム内で「BtoB改善チャット」というチャットルームがあって、そこで集められていた施策を真似たり、詳しい先輩に助けてもらったりして進めていきました。また、週に一度の部会で事例共有を行なっていたので、そこで共有された施策を試すなどもしていましたね。
モチベーションを向上させる長文テキスト入りのクリエイティブ
─── どういった施策を行ないましたか?
大長:まず、クリエイティブは、幅広いバリエーションで展開してきました。最も大きく成果が伸びたのは、長文テキストのクリエイティブ(※)です。
福利厚生サービスを展開されているので、広告のターゲットとなるのは、企業の人事・総務部門の方です。それで、同じような層をターゲットして配信していた案件で、成果のよかったクリエイティブの構成を真似て作成するなどもしました。
長文テキストのクリエイティブは、全体の獲得単価に比べて獲得単価が1万円以上安価な結果となりました。ほかのクリエイティブに比べて獲得率が高かったです。クリエイティブはクリック率の良しあしに直結すると考えられがちですが、Facebookではそうとも限らず、本当にユーザー心理をついたものはモチベーションアップに繋がるので、獲得率が高くなる傾向があるんですよね。
─── 獲得率が高くなった要因はどのように考えていますか?
大長:このクリエイティブは、マス広告のような、感情に訴えかけるタイプの広告です。どうすればユーザーの深層心理を見抜いてハッとさせられるか、サービスに込められた思いやコンセプトに共感してもらえるか、ターゲットユーザーのことを思い浮かべて文章を練りました。
お客様にも、実際の顧客の心理に沿っているか相談しながら作成していきましたね。その結果、ユーザーの共感を生むことができ、資料をダウウンロードしたいと思う感情の変化を作れたんだと思います。
例えば、家賃補助の福利厚生サービスがあるとします。「福利厚生で、従業員満足度UP」というよりも、社長の心の声で「今日も朝から、オフィスには疲れきった空気が流れている。こんな1日の始まりで、従業員は気持ちよく働けているのだろうか」から始めて、「会社の近くに住めたら満員電車に乗らなくてよくなり、皆朝から元気」、費用面も導入しやすい、などと訴求すれば、グッとユーザーの心に踏み込める感じがしますよね。
─── クリエイティブの着想はどこから得ていますか?
大長:お客様のサービスやユーザーの気持ちを考え続けることです。BtoB商材なら、導入前の会社の日常の一コマや、担当者や現場社員の気持ち、導入後にそれらがどう変わるのか、といったことを考えています。
アイデアが出なくても、散歩中やお風呂に入るときなど度々妄想をし続けていると、「さあクリエイティブ作るぞ」というときに、鋭いアウトプットを出すことができるんです。
BtoBの広告の訴求は攻め方を間違えると、誤解が生まれてユーザーに不快な思いをさせてしまい、批判的なコメントがついたり、炎上したりしてしまいます。しかし反対に、クリエイティブのバリエーションがなくなってしまう上に、ユーザーの心を動かせないので、ほかの広告に埋もれて無視されてしまいます。日々勉強ですね。
メールアドレスの類似ターゲティングを切り分けて検証
─── 数々のクリエイティブを試してこられたんですね!ターゲティングでは、どんな施策を行ないましたか?
大長:メールアドレスの類似ターゲティングが活躍しました。
お客様が自社でもっているメールアドレスを利用して、類似ターゲティングを行なったところ、成果がとても良かったんです。なのでさらに、どのような種類のメールアドレスの類似で成果がいいのか?細かく検証しました。
まず、取引のフェーズで分けて検証しました。成約済みか、商談済みか、資料請求か、の3種類。次に業種です。製造業か、医療福祉かなど、数種類に分けました。今後も、お客様が注力したい業種に絞って配信する、業種の中でも取引フェーズで分けるなど、切り分け方を考えていきたいです。
利用するメールアドレスのリストは、お客様の課題によって変えています。資料請求の数が足りないのであれば、すべてのリストを利用するのがいいかもしれませんし、リードの質が問題なのであれば、成約や商談まで終わっているリストを利用します。
─── メールアドレスの類似ターゲティングは、かなり確度の高いユーザーに配信できそうです!どうしてわざわざメールアドレスをいただくまでして、配信するに至ったのでしょうか?
大長:1年ほど前までは、BtoBのFacebook広告は比較的ブルーオーシャンだったため、シンプルな興味関心でも成果が良かったんです。ですが、コロナ禍を機に各社で出稿が伸びた影響で、本案件で当初試していた人事担当者へのターゲティングでは、CPMが高くなってしまっていて。それで、お客様が自社でもっているメールアドレスの類似ターゲティングなら、違ったユーザーに配信できると思いました。
ですが確度が高い分、オーディエンスが狭くなってしまうんですよね。2、3か月で、対象のユーザーには配信され切ってしまっていう印象です。リストの切り分け方を変えるなど、ターゲティングの模索を続けています。
お客様とのこまめな状況共有で信頼関係を構築
─── お客様とはどのようなコミュニケーションを取っていましたか?
大長:お客様はとても協力的でした。提案した施策に対して、確認依頼の対応が迅速で、施策の実行スピードも速かったように感じています。
お客様の協力は欠かせません。例えばクリエイティブに関することだと、BtoBあるあるで、クリエイティブに使える素材が少ないという問題があります。そういったとき、「セミナー動画を入れてみましょう」「デモンストレーションの動画を撮らせてください」と素材作りの協力をしていただけると、クリエイティブの幅が広がります。
─── 自分たちで素材を作っていくということでしょうか?
大長:お客様としては、「プロが撮った綺麗な素材で作りたいし、半端な素材で作ったものは配信できない」と思われるかもしれませんが、そういった素材作りには時間もお金もかかります。
クリエイティブの寿命が短いFacebook広告では、少々素人感のある素材でも、スピード感を持って検証した方が成果に繋がります。むしろリアルな使用感が想像できるので、完璧にこだわらずチャレンジしてみることが大事です。
─── 先ほど、ターゲティングの工夫も成果改善に繋がったとおっしゃっていましたが、それもお客様との相談の上で決められたんですか?
大長:そうですね、お客様が広告でリードを獲得したあとの傾向や質などの情報を共有してくれていたので、それをもとにターゲティングを相談しました。どういったクリエイティブやターゲティングで、リードからの商談に繋がりやすいか、という情報をもとに、施策を考えていきましたね。
そういった相談をしていくと、私たち代理店側の理解が深まり配信の精度が高まるだけではなく、お客様側でも自社の顧客に対する解像度が高まり新たな発見があったり、次の課題が見えてきたりすることも多いので、情報の開示は双方にとってメリットだと思います。
─── お客様との協力関係の強さが成果改善に繋がったんですね!
大長:そうだと思います!お客様とほぼ毎週の頻度で打合せをしているので、心理的距離が近いと感じています。
実はもともと、お客様と毎月の定例会の資料をPowerPointやExcelで作成していて、かなり時間を使っていました。しかし今は、すべてSOカシカに変更しています。業務の工数が削減され、お客様との打合せ時間を捻出できるようになりました。
私は以前からBtoB案件を担当することが多く、いくつか施策をストックしてきたんですよね。お客様に協力していただき、考えてきた施策をスピード感をもって実行できています。
─── お客様の社内での変化はどうだったのでしょうか?
大長:私が作成したクリエイティブで成果がよく、使用したコピーも気に入っていただけたようです。社内に広がり、オフラインの展示会でポスターに使用したい、というお声をいただきました。
また、広告を見て資料請求をしたお客様のお問い合わせ欄に、「広告表現に惹かれた」といった内容のコメントが記載されていたこともあったそうです。とっても嬉しかったです!
得たノウハウを活かして成果を上げていきたい
─── すばらしいですね!最後に、今後挑戦したいことを教えてください!
大長:まだできていない検証を続けていきたいと思っています。一つは、コンバージョン地点の変更です。今は資料請求のみですが、違う地点でもトライしてみたいですね。あと、クリエイティブでは、ほかのBtoBで成果が上がっているものを試してみたいです。
社内では、私の作った長文クリエイティブの評判がよく、案件では関わりのない営業メンバーから依頼をもらうようになりました。ほかの案件でも展開して、成果を上げていきたいです!
編集後記
事前に質問内容を送ると、その10倍くらいのテキスト量で返信が返ってきました。👧「〇〇(お客様の名前)さん、大好きな案件なので嬉しくていっぱい書いちゃったんですけど..、使えそうな部分が少しでもあれば幸いです!」前のめりな姿勢、記事でも伝えられたでしょうか。noteを引き続きよろしくお願いします📚
【話し手:大長 睦実/取材・執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】
*本記事は、Twitterでもたくさん取り上げていただきました👏
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