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【彼の話】フレンチのフルコースを作るということ

外出を控えるようになって、自炊を始めた人は多いと思う。

「美味しいゴハンを食べること」って最高にハッピーだ。
だから「美味しいゴハンを作ること」って人を最高にハッピーにできる。

ゴハンは一番身近で毎日触れるものだから気づきにくいのだけれど、実は目の前にいる人を一番喜ばせられることなのかもしれない。

ある日、シドニーで仲良くなった友達が、自炊でフレンチのフルコースを彼女に振る舞ったら、ものすごく喜んでくれたと嬉々として話をしてくれた。

フレンチは料理の品数が多いから食事が豪華に感じるし、食べる側は次にどんな料理が出てくるのか想像するワクワク感がある。
外食できるレストランが少ないからこそ、彼女に素敵なプレゼントをするな〜と感心していたら、その友達曰く、作る側も非常に楽しいとのことだった。

作ってみたい料理と自分の料理スキルを照らし合わせながらメニュー構成を考えることや、自分のキッチンにある限られたツールを使って調理をやりくりすること、同時並行で複数の料理を仕上げるために手順の優先順位を整理していくこと…などなど。
まさにクリエイティビティ溢れる体験が、非常に刺激的だったようだ。

これには僕も興味を惹かれた。
料理を通して彼女を喜ばすことができるし、自分自身もまた未知なる体験ができると思ったからだ。

フレンチの代表的なコース構成は、6皿から成る。
「オードブル」「スープ」「ポワソン」「ソルベ」「アントレ」「デセール」だ。

友達はすべての料理を作ったらしいが、僕は口直しの「ソルベ」をカットして、デザートの「デセール」はお店で出来合いのものを振舞うことにした。

そして、完成したのが下の写真。

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こうして見てみると、全体的に茶色っぽい…もう少し野菜で彩りを加えるべきだったと反省。

今回、フレンチを作るといえど冷蔵庫に残っている食材や調味料をいかにフル活用するか、の視点は忘れないようにした。
毎回毎回すべて新しい食材を買い足して余って…を繰り返していたら、自炊していても、外食していた頃と変わらないくらいエンゲル係数爆上がりだ。

例えば、前菜の「オードブル」は、家に揖保乃糸が一束だけ中途半端に余っていたので、これをにゅうめんにしてグラスに盛りつけただけだ。
「スープ」も、余り物の玉ねぎを使い切るためにオニオングラタンスープにした。
飴色になるまで炒めるのが手間暇かかると思われがちだけど、前日にスライスして冷凍しておくと、解凍するときに水分が早く出てすぐ飴色になります。コンソメスープのストック一つで驚くほど美味しいスープになるので、これはオススメ。
(ガーリックトーストの上に乗せたチーズも余り物)

魚や肉など今回のために買った食材は、トータルで3,000円もしていない。
5品のフルコースを作って、二人で3,000円以下はコスパ最高だ。

そして、明らかにいつもの食事よりもテンションが上がったし、料理している僕も楽しかった (彼女も終始ご機嫌だった)。

例えば、お店っぽくテーブルにキャンドルを灯してみたり、コースのお品書きを手作りしてみたり、演出するとなると他にもやれることが色々ある。
言ってしまえばフレンチレストランを模した「ごっこ」や「おままごと」のような遊びなのだけど、大人が本気でやると案外楽しい。

今回、実際に一通り作ってみて改めて気づかされたが、プロとして料理を作っているシェフたちは本当にすごいと思った。

料理ができる人は、やっぱり最高にカッコいい。

機会があれば、皆さんも家でフルコースを作ってみると楽しいと思いますよ!

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