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呼吸の瞑想(2): 身体への気づき

おはようございます。

前回は「身体に関する四考察」の最初の2つについてお話ししました。今日は3番目と4番目の考察、身体の瞑想についてお話ししたいと思います。

アーナーパーナサティ・スートラ(呼吸による瞑想法)

最初の四考察(身体に関する考察)
1. 息を長く吸っているときには、「息を長く吸っている」と知りなさい。息を長く吐いているときには、「息を長く吐いている」と知りなさい。
2. 息を短く吸っているときには、「息を短く吸っている」と知りなさい。息を短く吐いているときには、「息を短く吐いている」と知りなさい。
3. 「全身を感じながら息を吸おう。全身を感じながら息を吐こう」と訓練しなさい。
4. 「全身を静めながら息を吸おう。全身を静めながら息を吐こう」と訓練しなさい。

 3つ目の考察は呼吸を通じて身体へ意識を向けるものです。息を深く吸うときや吐くときに、胸や肩、お腹がどう動くかを意識します。さらに他の身体部位にも意識を向けてみます。ここで大切なことは、呼吸に集中したまま、身体の状態に注意を向けることです。「呼吸」から「身体」へと意識を広げていきます。「全身を感じながら息を吸おう」というのはそういうことです。呼吸に集中することによって思考がクリアになり、そこから呼吸以外のものを丁寧に見つめることができます。呼吸を介して、集中力を高め、執着を減らすことで、物事の本質を見つめることができるようになります。これは呼吸の瞑想の重要なポイントになります

 では少しやってみましょう。まずは呼吸の瞑想から始めます。呼吸に意識を向けてください。意識が集中できてきたら、今度は足のつま先に意識を向けてみましょう。そこにはどんな感覚がありますか?床の感触でしょうか。冷たさでしょうか?感覚を感じるのが難しければ少し足を動かしてみても構いません。左足と右足に交互に意識を向けてみるのも良いです。数秒程度かけて確認をします。次に足の裏、かかと、足の甲と進んで下さい。それからふくらはぎ、脛、ひざ、太ももと上がっていきます。一つ一つ確認するように意識を向けてください。そこにはどんな感覚がありますか?筋肉に力が入っていますか?服と触れ合う感触でしょうか?何も感じられなければ何も感じないということを確認します。次に椅子と接しているおしりの感触、腰、背中、肩と上がっていきます。それから手の指先も感じてみましょう。親指から小指まで1本ずつ辿って下さい。手のひら、手首、前腕、ひじ、上腕、肩、首、そして最後の頭まで上がります。それからまたしばらく呼吸の瞑想に戻って終わります。

 いかがでしょうか?きっと前よりも自分の身体の存在を強く感じられるようになったのではないでしょうか。私たちは普段の生活で意識を外へ外へと向けがちです。そしてそこで色々なことに心を煩わされています。ですから、時々、この瞑想を行って、自分の内側へ、自分の身体へと意識を戻すことが大切になります。自分自身が安定しているということがここから先の瞑想を行う上でも重要になってきます。

 4つ目の考察には「全身を静めながら息を吸おう」とあります。全身に気づきながら呼吸を続けると、雑念が消え去り、集中した静けさが訪れます。全身の活動を静めるイメージで呼吸の瞑想を続けます。この状態になると、ある種の喜びと安らぎを感じることができます。まずはこの状態にいつでもなれるように、日頃から訓練をすることが大切です。そうすれば、深く傷ついたり落ち込んだりしたときにも、心の安定を取り戻すことができます。もちろん、傷ついた自分と向き合うことも大切なことですが、それについては今後の考察の中で取り上げることになります。

 本日は最後までお聞き下さり、ありがとうございました。

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