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2023年6月の記事一覧
《創曲》第3篇 『萌芽』
文字の羅列に血が通うかのよう
人よ、言葉を侮るなかれ
言葉は自身なり、境涯の成せる生きた鼓動なり
呼び出せ、五体の脈動のままに
詠え、喜びのままに
詠え、悲しみと怒りままに
流れ出でよ、その口から、その指先から
無作なる生命はときに字体となり
現象なる世界へ現れ出で、実体たる心を宿すが如くに
それは時空の軛を断ち、本然なる実在の波間に溶ける
人はそれに触れるとき、新たな律動を我
《創曲》第2篇 『国土』
ああ、悲しきかな、この世にあって
悪は結託し、その利害によって容易につながる
ときに真実は孤高にして、数少なきものの胸中にやどる
烏合の悪しき畜生の如きは、数にものをいわせ、自らが上であるかのように慢じ、盲目にも、その醜き姿を顧みる事がない
いかに賢そうに人々を諭してみせても、卑しい心根を見通せば、どこかの物語にでも出て来そうな喜劇だ
しかし、人は往々にして多数に流れ、口をつぐむ
それ
《創曲》第1篇 『胎動』
勃興する大いなる力よ
巨山を生み出すが如く、生命の地殻変動は起こらんとしている
人々よ、そして、永遠なる青年よ
あなたの手の中に、未来は胎動し
その鼓動は、あらん限りのエネルギーを横溢させ、歴史転換の暁鐘となって大気を打つ
連関の宇宙は、その純粋にして鋭き一念に呼応し
その求心力は金剛の車軸となって、轟音を上げる
深くおろされた種子は、いつしか芽吹き、悠々たる葉を茂らせ、巨木となって