![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109245527/rectangle_large_type_2_372beb385b5eb6d123a189c99170de3a.png?width=800)
Photo by
mioarty
《創曲》第3篇 『萌芽』
文字の羅列に血が通うかのよう
人よ、言葉を侮るなかれ
言葉は自身なり、境涯の成せる生きた鼓動なり
呼び出せ、五体の脈動のままに
詠え、喜びのままに
詠え、悲しみと怒りままに
流れ出でよ、その口から、その指先から
無作なる生命はときに字体となり
現象なる世界へ現れ出で、実体たる心を宿すが如くに
それは時空の軛を断ち、本然なる実在の波間に溶ける
人はそれに触れるとき、新たな律動を我がものとし、多様なる心象を分かち合う
喜怒哀楽なる人間たる喜びよ
今を生ききる喜びよ
つなげ、心と心を
相反目する争いを鎮め
視線と視線の合わさる宙の向こう
深淵に根を下ろす待望の萌芽
平和なる価値を奥底に打ち立て
未来に真実の歓喜を飲み干せ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?