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《創詩》

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2023年3月の記事一覧

創詩 18

創詩 18

黄金なる光は、丸い円球を優しく包んで、今日一日の仕事を終える

漆黒なる闇と静けさは深々と迫り、あたりを支配する

それでも何事もなきように、それは自らの運動を止めない

虚空の如き空に舞い出でて、あの光の行く先を見よ

それは、悠久にして絶えざる営み

かの大地は新しき夜明けを迎える

創詩 17

創詩 17

季節の到来は人々の装いを変え

大気の張りが背筋を直しくさせる

見上げる虚空は果てもなく

差し出した指先に手応えはない

視界は先の先まで見据えても

小さき五体からすべては始まる

まぶたを閉じれば内観の宇宙

どちらをとっても終わりはない

胸打つ鼓動と真実と

巡り合う遠い約束の一点

掌を合わせれば実在を識る

羅列にして無窮の世界

貴方は何を見る

何を感じる

創詩 16

創詩 16

月夜の澄んだ湖面は、微かに光を照り返す

風なく、波立たず、鏡のように

とても静かだ

思索の糸は、あるときはほどけ、あるときは結び合い、新たな体系を浮かび上がらせる

五体を通して感ずるところの

今までとは少し違った世界の像を

創詩 15

創詩 15

幾多の流れが合流し、生み出されたる新鮮なうねり

心せよ、波はいつものようでありながら、常に清新なる新しき生命

言葉という名の象徴は、自らの舞台を知って、瞬間の揺籃より躍り出で

奥底より湧きいずる想念は、その使命を求めて、外へと出でんと躍動する

君よ、それらに見事なる配列と響きとを与え、調和と情熱のもとに呼び出だしたまえ

願わくは小さき宇宙よ、妙なる符号を示し、かの燦然たる集いを呼び起こせ

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創詩 14

創詩 14

ああ、複雑なる現象の奥深く

勇気を持って、その渦のなかへと手を伸ばす

あらゆる流れの逆巻く中に

いつも核なるものは厳然と具わり

我が掌が

それに触れたとき

目の前に現われる事なき真なるものの

その感覚は五体を駆け抜け

ひとつの像を結んで、我が心の中に

我が一部となって

いつも蘇える

創詩 12

創詩 12

おさまりしところの左右対称の殻もの

その核に膝を抱きたる小さき生命

呼び覚ますところの音声に、何故今かと問いかける

今こそ時なりと大いなる本体は応えた

響きわたる勅命は電流の如く背骨を流れ、ゆっくりと眼は開かれる

重き扉の鍵を開いて、重力なる支配から放たれ

始まる中軸の加速度に鼓動は速まる

新たに生ずる生命の律動は、外なる世界と共鳴し、一体に溶ける

妙なる呼びかけに導かれて立ち上が

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創詩 11

創詩 11

清新なる息吹を

一言一言に込めたまえ

胸奥に溢れる大熱情を

あらん限りに押し広げよ

大いなる本体と君の一心が相通ずる限り、君の背骨は金剛なのだ

うち続く重圧に、もし、その確信が揺らぎそうになる事があっても

信じたまえ、勇気をもって貫け

果たす全ての力は備わるものだ

遠く久しきの約束を