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風景のレシピ #43 “Terra Rossa”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #43 “Terra Rossa”

調理時間:9時間

材料:
レンガの建造物: たくさん
飴色の光:全体的に
石畳とレール:適宜
路面電車:一輌
観葉植物:数鉢
人々:1~2人
燕:数羽
吹き抜ける風:適宜


1.大量の赤土でレンガを焼き、縦横に建物を建てる。


2.出来上がった街区に人々を住まわせる。空間全体に飴色の光を注ぐ。
  人々の生活を思い浮かべ、装飾を建物にあしらう。
  テラコッタの鉢植え植物を飾る。


3.建物の間にレールを敷き路面電車を走らせる。
  壁に響く機械音に耳を澄ます。


4.路上より数メートルの高さに燕を飛ばす。


5.人々、機械、鳥、昆虫、風。さまざまな存在の往来を眺める。
 その全てが風景に馴染めば、できあがり。


調理のコツ
*その風土に共感を試みる。

時間が溶けたような飴色の光
誰でしょう?壁に彫られた人面の装飾
火花を散らして往復する路面電車
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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