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風景のレシピ #40 “灰色の広場”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #40 “灰色の広場”

調理時間:5時間

材料:
未整備の広場: 一面
雪雲:適宜
雪を冠った山:一座
市役所:一棟
街並み:一帯
林: ひとつ
人影:適宜
自動車:適宜


1.乾燥させた冷気で空間を満たし、遠くの山には雪を降らせる。


2.広大な面積に砂利を敷き、灰色の気分で平らにならしてゆく。


3.広場に面して、古そうな市役所を置く。
  立派な建物の様式は古い写真集を参照する。
  他の建物も並べていき、広場を見渡す窓を開ける。


4.その町を暗い色調の林で取り囲む。町の外に続く道をひとつ通す。


5.広場に控えめに人や自動車を置く。
  町を見終わり、出発のバスを待つような気分になれば、できあがり。


調理のコツ
*すべてを冬の色に。

暖かそうな店舗が見える
林を抜ける道
膨らむ雪雲
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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