(二次創作)「鬼滅の刃」(ショートショート)
ある満月の晩、
とある小さな里が
邪悪な鬼達に襲われ
全滅したー
一人の老婆を除いて…
その老婆は昔、里の巫女をしていた女性で
荒ぶる鬼達に命乞いするでもなく
里中の金品を集め、差し出すのだった
「おい、ババァ。この里にある金目のものはこれだけかァ?」
「嘘だろ?まさか、これっぽっちかよ」
鬼達は予想以上に少ない成果にいささか不満のようだ
焚き火を囲んで酒盛りをはじめる鬼達
「こんなババァでなく、若い女でも残しときゃ良かったなぁ」
「無計画に里を襲うからいけねぇんだ」
「今頃言ってもしゃあない。おい、ババァ。酒をつげ!」
元、巫女といえど、屈強な鬼達に抗う術などない
老婆は不気味な笑みを浮かべ、鬼達をもてなした
そして宴もたけなわ
鬼達に程よく酒が回ったところで
老婆はすっと焚き火の前に立ち
妖艶な舞いを踊り始めた
鬼達はすっかりご機嫌で、
「ガハハ、いいぞ!もっと踊れ!」
とはやしたてた
老婆も興が乗って来たのか
頬を染めながら、せつない表情で少しずつ肌を露出させていった
満月が老婆の身体を照らしだす
「やぃ、ババァ、きめぇつーの!」
さすがに鬼達から失笑混じりのヤジが飛ぶ
「きめぇつーの!」
「やぃ、ババァ!」
きめぇつーの やぃババァ!
「鬼滅の刃」
ー 完 ー
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