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9/21開催レポート「いつかはあなたも町内会役員!?私たちの知らない町内会の世界」

9月の情報交換会は、「私たちの知らない世界」シリーズ第4弾!
「いつかはあなたも町内会役員⁉ 私たちの知らない町内会の世界」
仙台市内の町内会で役員を経験したことがある30~40代のお二人をゲストにお迎えし、役員になった経緯や町内会との関わり方等、町内会に関するあれこれをお伺いしました。

きっかけは地域の活動から

はじめに、柳谷理紗さんからお話をお伺いしました。

柳谷理紗さんのプロフィール
仙台市若林区生まれ。建築を学んでいた学生時代に仙台市青葉区大手町の都市計画道路跡地を活用したコミュニティを育む畑「まちなか農園」に関わったことをきっかけにその土地の住民となり、仙台市片平地区の町内会活動に関わる。

町内会に関わるようになったきっかけ

学生時代に関わっていた大手町の「まちなか農園藤坂」、就職後もまちなか農園がどのように展開されていくのか関わっていきたいと思っていました。
引っ越しを検討したときに、まちなか農園との関わりから人もまちもよく知っている花壇・大手町地区に引っ越しを決めました。引っ越してすぐに、町内会長から「これからもまちなか農園に関わるなら、町内会の役員もやってみてはどうか」と誘われ町内会役員になり、約10年間役員を続けてきました。

町内会との関わり方

町内会は、月1回の役員会や市政だよりの配布、町内会費の集金などの活動があります。
役員会は平日の夜の開催が多いですが、平日の夜は仕事があるため、そのような活動にはほとんど参加できませんでした。担当のプロジェクトについては町内会長と個別に打ち合わせを行うなどの調整をしていました。

柳谷さんが関わっていた活動
<企画もの>
・まちなか農園の広報・子どもの遊び場実施
・片平子供まちづくり隊サポート・片平地区まちづくり会事務局
<資料作成もの>
・助成金申請サポート(3年間×2)・まちなか農園記録誌(年間)
・防災行動マップ作成(年間)・町内会50周年記録誌作成(年間)
<作業>
・草刈り(多いときで月2回)

町内会に関わる動機や想い

学生時代に建築を学んでおり、まちに関わることに興味・関心がありました。卒業後、まちづくりに携わる仕事に就きましたが、本職の業務だけでは狭い視野になってしまうという課題意識を持っていました。仕事以外の場で合間に子どものあそび場などの市民活動に携わって、まちに関わり続けることが、学生時代のバランス感覚を保つことにつながっていました。

東日本大震災が発生した翌日の朝、今後どうなるか分からない不安がある中、地域の集会施設に皆が集まっている場所に立ち寄った際、まちなか農園でいつもお世話になっている地域の方から、温かいコーヒーとクッキーをいただき、心がほっこりした思い出があります。近所に知り合いがいて、声を掛け合えるような環境があることに、安心感と心強さを感じた経験がその後も町内会活動を継続するモチベーションになりました。

当時の町内会長は、20代~40代と幅広い年齢層の役員を増やしていこうと考えていて、同年代の仲間もいて楽しく活動することができました。地域の方からの美味しいごはんのおすそ分けも嬉しかったです。しかし、町内会の会合と時間を合わせるのが難しかったり、年代が違うとコミュニケーションツールが異なるため、調整が難しいこともありました。

自分の担当は企画ものが多かったため、中途半端に関わると無責任になってしまうと考えたため、本業の忙しさに応じて関わり方を変える工夫をするようにしています。最近は地域で管理する原っぱの草刈りをしていますが、夏の暑さで草が伸び続けるなか「草刈りはスポーツだ」と思って、自分に無理のない関わり方に調整しています。

きっかけは自分の子どものため

つづいて、田村晋さんからお話をお伺いしました。

田村晋さんのプロフィール
娘が生まれるのをきっかけに購入した地区の大手町の町内会に興味を持ち、夏祭りや防災のお手伝い、オレンジリング認知症などの地域の方々の安全のために片平小と地域のご年配者との交流を冊子にしたりなどの活動も行う。現在は八木山地区の八木フェスなどにも外部実行員として参加しお手伝いしています。株式会社グラフィック・トイ代表。

町内会に関わるようになったきっかけ

子どもが生まれるタイミングで大手町のマンションを購入し、子どものために町内会に入会しました。近所にどのような子どもたちがいるのか、長い間住む場所なので治安がいいほうがいいなと思っていました。
自分の祖父母世代の方たちが一生懸命に町内会活動をしている様子を見て、いいなと思っており、お祭りのときにサポートをしたことをきっかけに町内会活動に積極的に関わるようになりました。

町内会活動のコツ

町内会について、入りにくそうなイメージがあると思いますが、それは何か知らないルールが設けられていて、それに合わないと入れないのではないかというのがあると思います。しかし、町内会に限らず、どのコミュニティも入ってみないと分からないことだらけです。
町内会のようなコミュニティでは、目に見える争いを避けて、お互いに共有できることや共通することを見つけて歩み寄れるところを探すのが上手に活動するコツだと思います。何か頼まれても断れないイメージがあるかもしれませんが、代替案を提示したり、意見を言うこともできます。
まちを良くしたい想いは同じでも方法が異なったりするため、自分が持っている正論は意外と通じないこともあります。

自分のできることをやる

子どもがお祭りで使うチケットを単なる紙のチケットではなく、「小判」の形にして、お金を使っているようなものを作りました。
グラフィックの仕事をしていたため、このような制作物が得意で、コピー機もあるため、安く引き受けることにしました。このような活動をしていたら、「うちのお祭りのポスターをお願いできないか」等の相談も来るように。自分の得意なこと、できることで喜んでもらえるとそんなに町内会活動もハードルは高くなく、意外と気楽に入れるものだと思っています。

自分が住んでいる地区ではないけれども、八木山地区の八木フェスにも外部実行員として参加しています。


ゲストのお二人にみなさんからの質問に答えていただきました!

町内会の必要性をどのくらい感じていますか?
●柳谷さん:顔の見える関係は良いと思います。しかし今の町内会は大変そうだなと思うこともあります。もっと楽になればいいなと思います。
●田村さん:必要だと思います。子どもを地域の人に見てもらえたり、震災の時にはそれまでお互いを知らない人たちが助け合う姿を見て町内会はすごく必要だと感じました。

町内会は高齢男性の世界というイメージです。現役世代の女性でも入っていけますか?
●柳谷さん:役員を担っているかどうかは別として、女性の参加もあり、自分たちの世代だけで暮らしていると気づけない面白さがあります。特に福祉部門やお祭りでの調理などで活躍している姿を多く目にします。
現役世代だと仕事と町内会との兼ね合いの意図もあるかもしれませんが、自分の得意分野やできることで関わっていけるといいのではと思います。
●田村さん:参加者の気持ちの余裕によって捉え方が変わると思っています。世代が違うという考え方はやめた方が良いのでは。年代の差ではなく、経験の差だと思います。

どうしたら町内会に参加できるのか分かりません。
●柳谷さん:自分のまわりでも町内会にどうやって参加したら良いか分からないという話を聞きます。
●田村さん:防災や子ども会の集まりなど町内会に関するお知らせは来ているはず。注意深く見て、会議などに顔を出してみたり見学してみたりすると、決して嫌な顔はされず、ウェルカムだと思います。
●渡辺(司会):現代は、結婚して子どもがいる家庭ばかりではなく、子ども会を通じて町内会に携わるという構図が成り立たなくなってきています。町内会との接点が現役世代はなくなり、お知らせも高齢の男性を対象としたような内容が多く、現役世代が関わりにくそうではあると思います。
●参加者:各区のまちづくり推進課に問い合わせてもらえれば、町内会長を紹介してもらえます。(仙台市)町内会長から各部会の部長や地区の班長を紹介してもらい興味のある活動に参加するのが近道です。

町内会の役員はだいたい何人くらいですか?
●柳谷さん:自分の地区は900世帯規模で役員は約10数名で構成されており、会長、副会長の他に環境部や福祉部等の分野ごとに役割を担っていました。このほかに班長さんもいます。

柳谷さんは10年間町内会役員をされていたそうですが、辞退などしない限り役員を続けないといけないのですか?
●柳谷さん:関われる範囲の関わり方でいいからと言われ、結果的に長く続きました。地域によっては持ち回りもあると思います。

旅行やカラオケ大会などの企画があっても、それに参加しない人から不満が出てきます。地域の中でやりたいことやりたくないことが人によって変わってくるのを、地域で意思統一などの工夫があれば教えてください。
●田村さん:はじめに共通項を提示するようにしています。みんな町内会をよくするために言っていて、悪くしようとして意見を言っている人はいないと思います。


次回、10月はお休み、11月はゲストにミヤギユースセンター代表の土佐昭一郎さんをお迎えし、「健常と障害の間〜私たちの知らない世界〜」を開催します。

「健常と障害の間~私たちの知らない町内会の世界~」
日 時:2023年11月16日(木) 19:00~20:30
対 象:興味のある方、どなたでも参加できます。みなさん意見交換に参加いただきます。
参加費:無料
会 場:仙台市市民活動サポートセンター 6階セミナーホール、オンライン会場(Zoom)
定 員:20名(Zoom会場は定員制限なし)
申込み:フォームからお申込み下さい 

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