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甘いコーヒーとチョコと健康。


最近、「健康」について考えさせられることが多い。


僕がバイトに行っているデイサービスでは、必ず”コーヒータイム”がある。


お年寄りがお菓子を食べながらコーヒーやココアを飲んで談笑している風景は、とても和やかで、その現場にいるだけで少し癒される。


でも僕は微笑みながらも”それを”見逃していなかった。


コーヒーに大量の砂糖とミルクを入れている”甘党”が9割を占めていることを。



こんなこともある。


お年寄り「お砂糖ちょうだい」


僕「わかりました〜!?(それココアやで!!)


70〜80歳以上の甘党の多さに驚愕した。


当然、糖尿病になっている人も多い。


でも、なっていない人もいる。


「そんなに甘くしたら病気になりますよ〜笑」と言いかけてやめる。


甘いコーヒーとお菓子を食べながら笑顔で談笑しているお年寄りにそんなことを言ったらすごく水を差した感じになる。


そもそも「健康」ってそんなに大事なことなんだろうか。



何かを我慢することの引き換えに「健康」というチケットが”必ず”もらえるのだろうか。



「健康寿命を延ばそう!!」は当事者たちにはそこまで届いていないのでは?


あれか、

「若者よ、投票にいこう!!」に近いやつかもしれない。


「なんとなく、健康な方が良いよなぁ」

「なんとなく、投票行った方が良いよなぁ」

という、空気感は作られているが本質的に何かの解決にはなっていない気がする。

例のアレか。


僕はお年寄りのスウィートなコーヒータイムを見た日の帰り、スーパーでココアを買った。


そしてある疑問が湧いてきた。


もし「健康」という定義が人それぞれなら、僕にとっての「健康」ってなんだろう。



まずは栄養面から考えていきたい。


2年前、僕は大学ボート部のトレーナーをしていた。


そこでは食事に対するアプローチが課題であると考え、「栄養とトレーニングの関係」という資料を作り、講義をした。



筋力をつけるにはトレーニング・食事・睡眠はセットで考えなければならない。


これは間違いない事実だと思う。


でも糖質・タンパク質・脂質を計算して過ごすことが「健康」に繋がるのだろうか。


「健康”的”」ではあると思う。


そのあと、栄養学に興味を持った僕は民間の資格ながら「ダイエット検定1級」を取得した。



この頃の僕は、今思えば「健康オタク」だったかもしれない。(当時はそう言われても全否定していた。上には上がいるから。山本義徳さんとか。)


マルチビタミンや亜鉛、プロテイン、EAA、グルタミンetc..様々なサプリメントを買ってとても満足していた。


体の中が栄養で満たされている気がしたからだ。


川の水が綺麗になったようなイメージを自分の血液に置き換えて想像していた。


「食べたもので体はできている」


確かにそうなのだが、それでも体調を崩すときはあったし、ちょいちょい風邪も引いていた。


栄養学だけでは不十分だと思った僕はストレスマネジメントについて勉強を始めた。


コーチングの勉強を通して、「自己理解を深める」



他にもアドラー、ユング、フロイト等の心理学・宗教・哲学などストレスマネジメントのヒントになりそうなものを手当たり次第に調べていった。


栄養学を学び、自己理解を深め、自分だけの「健康」が手に入るかと思いきや、


そうでもない。


相変わらずの自分がそこに居る。


知識や技術が身についても”自分”は変わらない。


ましてやストレスは逃げても逃げても定期的に追いつかれる。


ただ、一丁前に知識はあるもんだから、スーパーに陳列されている身体に害を及ぼすもの(マーガリンとか)を親の仇みたいな目で見てしまう。


「コンビニ弁当を食ってるやつはアホだ。」と軽蔑してしまう。


「間食はだめ。ナッツとかなら良いけど。」が口癖。


「ジュースはダメ。なるべく水で。」が口癖。


正直、生きていくためのヒントと答えを知ってる気がして、健康に関する知識を有している自分が誇らしかった。


でも、風邪は引くし、体調は崩すんだよなぁ。


そんなこんなで今年、難聴になった。



ついにストレスが原因の病気になった。


そして先月はストレスが原因で、人と会うだけで吐き気がするようになった。


”健康”に関する知識を積んで実践すればするほど、


”健康”とは程遠い状態になっていた。



結局は色々なことのバランスが取れていないのである。


「健康でなければならない」と自分を追い込んでいたのである。


自分の健康を優先にしたスケジュールが組めるほどの逸材では無いし、実はそれを求めていないのかもしれない。


本当は”甘いもの・辛いもの・身体に害があるとされているもの”を「おいし〜」って言いながら何も考えずに食べたい。




次の日、またしてもスウィートなコーヒータイム。


甘いコーヒーとチョコを食べて微笑むお年寄り。


先輩スタッフ「なかやくんも食べたら?」


僕「いいんですか?」


デイサービスではご利用者たちと一緒にコーヒーを飲んだりお菓子を食べたりする時間が少しある。


先輩スタッフ「ブラック(コーヒー)でいい?」


僕「…あ、はい!ブラックで、大丈夫です(^_^*)」


なんとなく、砂糖とミルクはダメな気がした。


僕は「健康でなければならない」と意識し過ぎている。


まだまだ甘ちゃんだ。



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