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第57回大学選手権決勝 早稲田vs天理 徹底予想

こんにちは!現役ラグビー選手でありながら実況&解説をしている岸岡智樹です!

今回はタイトルを見てお分かりだと思いますが、1月11日に行われる『第57回ラグビー全国大学選手権大会』の決勝を事前に徹底予想していきます!!


2020-21の決勝まで駒を進めた2チームは「早稲田大学」「天理大学」です。


まずは、なぜこんな記事を書いているのかを紹介します。

このような想いで過去、同様の記事を2つ書いてきました。

第97回ラグビー早慶戦 徹底予想記事 ⇨ こちら
第96回ラグビー早明戦 徹底予想記事 ⇨ こちら


今回の決勝で対戦する両校の特徴と今大会の歴史についてみていきたいと思います。


全国大学ラグビーフットボール選手権大会とは

全国大学ラグビーフットボール選手権大会とは、日本ラグビーフットボール協会主催の、大学ラグビー日本一を決定する競技大会である。

大会の説明をする必要はあまりないかと思いますが、大学ラグビーの全国大会のことを指しています。


今大会はこのようなトーナメントとなりました👇

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こちらの出場校はそれぞれ、関東大学対抗戦Aグループ、関東大学リーグ戦1部、関西大学Aリーグ、九州学生リーグⅠ部、東海・北陸・中国・四国地区、北海道・東北地区での予選を勝ち上がったチームです。

関東大学対抗戦Aグループ ⇨ 3チーム
関東大学リーグ戦1部 ⇨ 3チーム
関西大学Aリーグ ⇨ 3チーム
九州学生リーグⅠ部 ⇨ 1チーム
東海・北陸・中国・四国地区 ⇨ 1チーム
北海道・東北地区代表 ⇨ 1チーム

というのが大学選手権の出場枠となります。
実はこの他に2枠存在します。
それは前回大会優勝&準優勝チーム所属リーグ・グループから1チームずつという計算です。

昨年度の第56回大会の結果を反映させて今年の枠数が決定します。

昨年度の決勝は「早稲田大学」vs「明治大学」でした。
これは「関東大学対抗戦Aグループ」vs「関東大学対抗戦Aグループ」ということになるので、今年は関東大学対抗戦Aグループに+2枠ということになります。

なので、明治大学、早稲田大学、慶應義塾大学、帝京大学、筑波大学の5チームが関東大学対抗戦Aグループから出場しています。

詳しいことはこちら日本協会のHPをご覧ください。


この大会の決勝に駒を進めた両校を見ていきましょう!

【早稲田大学ラグビー蹴球部】

早稲田大学ラグビー蹴球部は1918年に創部され、日本ラグビーフットボール選手権大会優勝4回、全国大学ラグビーフットボール選手権大会優勝16回という記録のあるチームです。


【天理大学ラグビー部】

天理大学ラグビー部は1925年に創部され、所属する関西大学ラグビーリーグ戦Aにおいては2016年から5年連続優勝、2年前に2度目の決勝に登り詰め初優勝まであと一歩と迫る。悲願の初優勝に向けて勢いのあるチームです。


●メンバー編成

昨年度11年ぶりに優勝に輝いた早稲田大学の布陣はこちら!!

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※画像をタップするとメンバー詳細ページに飛びます


悲願の初優勝を狙う天理大学の布陣はこちら!!

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メンバーに関して日本ラグビーフットボール協会のHPで掲載されたものはこちら👇


両チーム準決勝からのメンバー変更は1人
早稲田 12番 伊藤大祐 ⇨ 平井亮佑
天理 15番 國本茂孝 ⇨ 江本洸志

まずは早稲田大学の布陣としてはどのような意図が感じ取れるでしょうか。。。
ルーキー伊藤君ではなく、シーズン前半全て出場していた4年生平井君をここで起用しています。
考えられることとしてはいくつかありますが、一番大きいのは経験値と4年生であることではないでしょうか。
ラストシーズンにかける”4年の意地”は予想できないパワーを発揮します。
早稲田としては今年の天理は去年とはひと味違うということを想定していると思います。
だからこそ、強力な攻撃を止めるためにもハードタックラーな平井選手を起用したのではないでしょうか。
また、後半にスキルフルかつ試合の流れを変えることのできる選手をリザーブとして起用できるのは、早稲田としては嬉しい陣形だと考えられます。
天理大学は15番江本君をスタートとして起用しています。
準決勝の明治大学戦はメンバーに名前はありませんでしたが、この決勝で戻ってきました。
このメンバー交代を見て思うことは、天理は真っ向勝負に来たなという印象です。
天理大学といえば「DF」というイメージが多い方もいらっしゃるのではないかと思いますが、今年は攻撃的なハーフバックに加え、現在の大学No.1CTBのシオサイア・フィフィタ選手がいる天理大学の攻撃力は大学トップクラスだと言えます。
その証拠に
準決勝 明治大学戦 41得点
準々決勝 流通経済大学戦 78得点
とおそるべき得点を挙げています。
その攻撃力&得点力を向上させるために必要不可欠なのがこの江本くんだと僕は睨んでいます!
是非注目してみてください!!


リザーブメンバーに関しても少し変更があります。

☆天理大学☆
16 山本泰之 ⇨ 谷口永遠
17 高橋虎太郎
18 西山隆希
19 ナイバルワガセタ
20 ジョネ・ケレビ
21 臼井礼二朗
22 藤田大輝
23 内村祐介 ⇨ 豊田祐樹

天理大学のリザーブに控えている19,20番の外国人選手が、どのタイミングでグラウンドに登場するのかは非常に重要なポイントだと思います。
23番の豊田選手は今年度大学選手権初登録なので、どのようなプレーを披露してくれるのかも個人的には注目しています!

☆早稲田大学☆
16 川﨑太雅
17 横山太一
18 阿部対我
19 桑田陽介
20 田中智幸
21 河村謙尚
22 松下怜央 ⇨ 伊藤大祐 
23 南徹哉

早稲田大学のメンバー変更としては大学選手権準々決勝の慶應義塾大学戦と、準決勝の帝京大学戦に12番で出場していた伊藤君がリザーブに入りました。
早稲田としては対抗戦の時の布陣に戻ったというような印象でしょうか。
伊藤君がどのタイミングでグラウンドに登場するのか、相良監督の采配も気になります!


というのが、ファーストフィフティーンとリザーブ毎の簡単な紹介でした。

23人のメンバー登録を見て僕が感じることは『先手必勝』ということです。

これはどういうことかというと、今年の天理の破壊力は大学No.1と言えます。
圧倒的な攻撃力が防御力もカバーしています。

攻めて攻めて攻めまくる!!

これが今年の天理の神髄と僕は感じています。
ではそれに対して早稲田ができることは、小手先のDFで耐え凌ぐことではなく、真っ向勝負で粉砕することな気がします。

FWコーチの権丈さんはそんな言葉をFWに伝えているような気がします😂

ということでの平井君のメンバー入りがあると思います。

早稲田としても先行逃げ切りタイプの試合が多いですし、大差をひっくり返すという展開はあまり望んでいるようではありません。

なので、両チーム先手必勝という言葉をキーワードにはしていないと思いますが、そんな勢いで試合が始まるのではないかと思っています。


メンバー発表を受けて感じたことを上記の文章に加え、補足部分を音声限定として話しています!!


特に今年は経験値という部分において試合数が圧倒的に少ない1年となっています。
なので15人だけでなく、23人という総力戦になると思います。
おそらく後半出場することになるリザーブの選手の活躍が決勝での勝利にはかかせません!!


〇歴史

今大会で第57回目を迎える全国大学ラグビーフットボール選手権大会。

過去様々な名勝負が生まれてきました。

こちらは昨年度のトーナメント表になります。

画像1

ちなみに今大会決勝戦を演じる「早稲田大学」と「天理大学」は前回大会の準決勝で対戦しています。

結果は

早稲田 52-14 天理

でした。

関西大学リーグAにて圧倒的な実力を魅せてきた天理大学との1戦。
予選リーグのほとんどの試合で50得点以上を挙げていた昨年度。
今年も破壊力抜群のチームですが、昨年度とはどのような違いがあるのでしょうか。

本当に楽しみで仕方ありません!!


僕個人として昨年度シーズン中は4years.さんの方で日記を連載させていただきました。
天理大戦の後の記事もありますので、是非ご覧ください!


第57回目を迎える今大会。

過去の歴史を見ていくと
第56回 早稲田大学
第55回 明治大学
第46〜54回 帝京大学(9連覇達成)
第45回 早稲田大学
というような戦績です。

◇プチ情報◇
今回天理大学が優勝するとなると同志社大学以来36季ぶりの関西勢の優勝となるそうです。
今では帝京大学の9連覇というとてつもない記録が残っていますが、歴史を遡れば同志社大学が一世を風靡した栄光が残っています。
それ以来関西勢の優勝が遠ざかっていたことは今回僕も初めて知りました。

今年は異例の世界的感染症により、春夏とラグビーが日常からかけ離れることとなりました。
練習も思うようにできない時期もありました。

ラグビーができなかった時期は皆同じでした。

そんな中でもこうしてチームを作り上げて、シーズンに挑む学生を本当に凄いと思います。


ということで前置きがかなり長くなってしまいましたが、本題の予想に入っていきたいと思います!


〇徹底予想

試合のメンバー発表を見て感じたことは上記のstand.fmにて話していますので、飛ばしてしまった方は上にスクロールしてみてください!

まず試合の結果を左右するであろうポイントを説明していきます。

・反則
・セットプレー
・風
・オフロード
・タックル成功率
・応援

以上の6つがこの試合をわけるポイントになると僕は睨んでいます。

このあとキックオフからノーサイドまで展開を予想していくのですが、6つのキーポイントを一気に説明すると長くなるので、試合前に3つ、ハーフタイムに3つという流れで説明していきます。


『反則』
先手必勝にもあるように、先制点がどちらになるのかはとても大切となります。
注目ポイントの先制点に直結してくるのがこの反則です。
反則をしてしまうと、相手に複数の選択肢を与えることになります。
その先制点を相手に取られないためにも、反則というこのが試合の行方を左右する可能性が大きいと思います。

『セットプレー』
4years.の記事にもあったように、昨年度はセットプレーの中の「ラインアウト」で早稲田大学が勝利しました。
今年も早稲田は十分にスカウティングをしていると思います。
そこに対して天理がどこまで対策や準備ができているのかが、勝負の分け目に成り得ると思います。

『風』
国立競技場は秩父宮や花園ラグビー場とは異なり、ドーム型で覆われた試合会場となっています。
また、今年はかなり風が強いです。
9日に幕を閉じた花園でも風に悩まされているチームがかなり多かったです。
会場は違いますが、日本全体として風や寒さという外的要因が試合に影響を及ぼす可能性もあるので、そういったところとどのように向き合うのかは本当に注目度が高いものとなっています。


●試合予想

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