20240104「グースカ」

グースカグースカ
まだ寝てる
今日が始まりました
でも眠いから
微睡の中で包まって
起きた方がいいのに
寒さで凍えて
縮こまっている
起きて起きてって
揺さぶって
ぬくぬくの布から
飛び出して
今に帰る
ここが何処なのか
此処だったはずの
知らない世界
お花畑と焦土の煙
夢と現実から逃げて
冷たい雨が降る

遅れた時間を取り戻す
寝坊したぶん元気がある
そこここの欠損を塞いで
瓦礫を片寄せ
雲の隙間で小連絡をとって
暖に集まる
知らされない状況だが
もう知ってるはず
眠たげなその眼をこすり
そこにはもうないことに
確かにあったはずだと
膝を着く
地面を忘れて上の空
そんな大事なこと
わかってて
準備してたらなんて
急に言うから
ずいぶんと遅れてしまって
三三五五

眠ってるとしても
まだ動いている
微かに揺れて
確かさの不確かさを
何処かに預けてしまってたから
忘れっぽいグースカとは
きっとわたしのことなのだろう
鼻提灯で呼吸して
増減までは感じられない
それでも動き続けていることは
どこかで聞いたはずでも
忘れっぽいわたしは
誰かに尋ねないと知ることもない
ねえねえって教えてもらって
大事なことは皆で抱えて
冷たさまでもあっためて
わたしたちを生き延びよう
眠りつつ連動して鶏旦の鬼鬼
朝ぼらけに鳥が鳴く