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20240425「ベージュ」

砂漠の色を移し
干からびたその亀裂で
わたしは千切れるくらいに
まだ残っている
苆を喰み
海からの塩分と
色味のない風で
わたしたちを守る
すぐに崩れるわけでもないが
やがて朽ちては
地面に戻る
焼かれたそれらがあれば
しばらくは持つだろうし
そうでなければ
元に戻ろうとしている
わたしの抜け殻を閉じて
またいつかに開けるだろう

どれとどれを繋げたら
その接点とその接線
細かに見てみれば
更にその断層は
深く続いている
白さを塗し
また濁る
どれもが綺麗でいられない
それでいて誰かが別の視線で
見方を補う
抱えている眼差しの交差で
複数を持ちつつ
時間を置かず
凋落と凌ぎを切先に込める
ばらばらになりつつ
また集うこともあるだろう
小瓶を傾け白液を垂らす

混ざり合った黒の様子見で
再度ベージュとして
囲まれながら
白粉を塗し
年月を加え
汚れてしまう
表面の結晶を覗き
雨風を湛え
ふんわりと泡が立つ
しばらくそのまま
そして小さくなって流れる
唐突な知らせを聞き逃し
よくある話しだと誰かが口にする
さらさらの熱を持って
駆け巡る身体の罠
けれどわかってるような素振り
体温を保持して今日を待っている

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