【MR】”愛”という歪んだ呪い(後編)
※ネタバレを含みます!!!
※こちらは後編の記事です!!! 前編を未読の方はそちらを読んでからお越しください!!!
4 メインテーマ・エンディングテーマ曲が良い
[【MR】『竜とそばかすの姫』が想像以上に良かった話 https://note.com/snowrainworld/n/nd91b5d753761 ]でも触れたと思ったが、確認してみると触れてなかったのでここで触れる。 King Gnu、millenium paradeの新曲を聞くたびに「ああ、常田大希は本当に天才だな」と感じる。
原作のクライマックスを彷彿とさせるこの歌詞を彼はKing Gnuのロックに綺麗に落とし込んでいる。呪術廻戦を知っていればアニソン、そうでなければKing Gnuらしいロックミュージック。まさにタイアップソングの理想の形を見事に作り上げているのだ。
しかも、メインテーマ『一途』はAメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→Bメロ→サビ→Aメロという不思議な構成になっている。呪術界の混沌とした状況を表しているようにも思えるし、タイトルにある通り、里香を一途に想う乙骨のラブソングにもなっている。神業といえよう。
しかし僕が気に入っているのはこちらではなく、エンディングテーマ『逆夢』だ。『一途』が熱愛の曲だとしたら、『逆夢』は余熱の歌であり、乙骨から里香へのレクイエムのように聞こえる。ように聞こえると言ったのは表向きがそれで、裏に別の解釈があると思うからだ。
それは呪術廻戦のもう一人の主人公、最強の呪術師・五条悟とそのかつての親友にして最悪の呪詛師・夏油傑の歌ではないかということだ。
二人は学生時代、共に最強の呪術師への道を歩んでいたが、夏油傑は呪術師という仕事への疑問からドロップアウト。人へ害を及ぼす呪詛師となってしまった。
乙骨が追い詰め、五条が彼にトドメを刺す。それは呪術師としては相応しい行為だが、かつての親友としては耐えきれない想いだったことだろう。
彼はこの親友への想いを抱えながら最強の呪術師として生きていた。まさに愛(友情)の呪いであろう。
突然、高専から姿を消した夏油傑への気持ちを書いたような歌詞もある。ちなみに五条・夏油の過去の話は0よりも本編の方でしっかりと語られている。
呪術廻戦の内容には関係ないが、YouTubeのサムネイルのロゴが左右反転しているのも、この楽曲の良いところだ。
『逆夢』は劇場で初めて曲を聞いたが、『一途』は公開前から主題歌として発表されていた。予告編でも音楽を聴くことができ、呪術ファンはもちろんKing Gnuファンも湧いていたことだろう。
初めて僕が予告で『一途』を聞いたとき、正直「何か違くないか」と思った。前編で0は愛の物語、本編は呪いと死の物語と言った。ダークファンタジーであることに変わりはないが、やはり0の方が比較的明るい内容なのだ。それを本編のアニメの様にロックで行くのか、と疑問に思った。
個人的に常田大希を天才と思っていただけにガッカリしたが、実際曲を聞くと前述したようにめちゃくちゃ練られた内容だったし、『逆夢』というバラードも用意されていた。
やはり常田大希は天才だった! というわけである。
5 原作ファン向け 気になったところ
『呪術廻戦』本編にて、京都高の3年生・東堂葵が昨年度の東京校との交流戦のときに乙骨が無双していたという旨の発言をしている。
しかし、今回の映画の原作である0巻にその交流戦の内容は含まれていない。
ぜひ映画オリジナルとして入れてほしかったな、と思うところだが尺的に少し厳しかったのだろうか。
6 余談 MAPPAはいいぞ
初めて見たMAPPAが手がけたアニメは『ユーリ!!! on ICE』というスケートアニメだった。その映像美、とりわけオープニング映像に感動したのを今でも覚えている。
今作『呪術廻戦』もそうだし、現在放送中『進撃の巨人』、放送を控えている『チェンソーマン』もMAPPAが手がけている。『進撃の巨人』は前シーズン以上のクオリティで仕上げてきているので、『チェンソーマン』も楽しみで仕方がない。
さらに、オリジナル映画も制作しているよう。
これからもっと進化し続けるであろうMAPPAに期待大だ。
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