#24『リバース』(著:湊かなえ)を読んだ感想【ネタバレなし】
湊かなえさんの『リバース』
TBSでテレビドラマ化され、湊さんが長編小説で初めて男性を主人公にした作品でもあります。
あらすじ
感想
湊かなえさんの作品で1番印象的な作品になった
どんなに親しい相手でも、知らないことはたくさんある
読み終わってからしばらく放心状態?
本作の主人公は、平凡な会社員である深瀬。
深瀬の交際相手の美穂子に深瀬は人殺しだという告発文が届くところから物語が動いていきます。
実は深瀬には、学生時代に旅行に行ったときに不慮の事故で亡くなった友人の広沢の件で、ある隠していることがありました。
本作で1番感じたのは、どんなに親しいと思っていた相手だとしても、実は知らなかったことがたくさんあることです。
寛容で何でも受け入れてくれる、穏やかな心を持った広沢。
1番の友人だと思っていた深瀬は、彼の知らなかった過去をどんどん知っていくことになります。
人って外側の部分で判断することが多くて、色を決めつける。それを踏まえて関わるかどうか判断してしまうことがある。
まさに僕もそうではなかったかと自らに問いかけていました。
そして、周囲に馴染めず劣等感を持つ深瀬が広沢の寛容さに依存する気持ちが分かる気がしました。
その寛容さが当たり前にあるものと感じ、自らの立ち位置が上がったと勘違いしてしまうことも含めて。
人間の闇の部分を鋭くとらえていると思います。
特に本作は主要人物が男性なのもあって、彼らが保身に走る姿などの男性のドロドロした感じに、心のエグられ具合が強かったです。
告発文の犯人は、ああやっぱりといった感じ。
あの人ではないかと、読み進めるうちにうっすらと分かってきます。
犯人のやっていたことに怖いなあと思ったり、理由を探る中で知った事実に目頭が熱くなったり……
……えっ!?
……
……
読み終わってからしばらく放心状態になりました。
書いている今も、モヤモヤした気持ちを抱えています。
湊かなえさんの作品は『告白』など何冊か読んでいますが、本作が1番印象的な作品になりました。
読めばきっと分かるはず?
印象的なフレーズ
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