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CVポート増設手術を受けました|直腸がんstageⅣと生きる

こんにちは。

先週、5日間ほど入院していました。
目的はタイトルの通りCVポート増設手術と、FOLFIRI療法初回投与です。

今回の入院生活について、記憶が薄れる前にまとめます。


入院1日目:ただただのんびり不安と戦う

お昼前に入院。大部屋の窓側でラッキーでした。

1年半前に入院したときはかなりメンタルが落ちてしまったので(確定診断直後だったのもあります)今回はできるときに最大限自分の好きなことをしようと思っていろいろ準備してきました。
自分を甘やかすぞ!と決めて持ってきたのは某人気アニメの塗絵、最近気になることに関する本、タブレット(アマプラでM-1を見たい)など。
全部やらなきゃ~とかではなく、自分ができるときに、やりたいと思えるときにやろう~くらいのモチベーションです。

おそらくnoteを更新して、のんびり塗絵とか動画とか見て過ごしていましたが、翌日に控えている手術のことで頭の中はいっぱいでしたね。
何かしていないと落ち着かないような感じ。

入院2日目:CVポート増設手術日

朝食、昼食なし。
朝6時に朝薬を飲んだ後、ビタミン剤やら抗生剤などの点滴をしてもらいました。

もう逃げられない…!というところから緊張感は高まるばかり。
でも、そのとき対応してくださった看護師さんがすごく面白くて優しくて印象に残っています。

おもしろ看護師さんとの出会い

そもそもその方、私の友人に容姿が似ていてファーストインプレッションから安心感があったんです。
その方のゆったりお話ししてくださる感じだったり、『2番目の妹と同い年!妹みたい!』とか『(全身麻酔前の若い患者さんとのやりとりで)怖いから何か歌ってほしいって言われて(紆余曲折あって)中島みゆきの時代を歌った。その曲知らないけど安心してきた~って言ってた。』なんてお茶らけてくださる姿にかなり救われました。

また、手術中はスタッフが沢山いるのでお話しできる環境だろうとのこと。
私もいくつかエピソードトークを披露して乗り切ろうかなぁとも思っていたのですが、そのおもしろ看護師さんの強いエピソードトークを前にして自信喪失です。笑

看護師さんのおかげで一旦緊張は落ち着いたものの、手術の時間がはっきり決まっておらずそわそわ…。
だからって何かする気にもなれなかったので、ひらすら過去のM-1を観ていました。今思い返すと、あまり内容は頭に入っていません。

いざ、手術室へ

その後、15:30~手術になると看護師さんから教えていただいて、着替えて手術室へ。
前の方の手術がちょっと長引いていたようで、手術室の前でしばらく看護師さんとお喋りさせていただいていました。

ちょっとおかしいかもしれませんが、そのときの感覚がピアノの発表会の順番待ちをしているときみたいでした。イメトレはしているけど緊張してしまって頑張れるかな…と不安になる感じ、ここまで来たらもう逃げられない感じ、自分が嫌だと思っても前に向かって歩いていかなければならない感じ…。
(ピアノを習っていた当時は人前が苦手でしたが、根性で乗り切ったり練習の成果を発揮したりできる発表会という場自体は嫌いではありませんでした!)

そんなこんなで私の順番が来てしまって、いざ出陣。

CVポート増設手術

手術室の雰囲気に圧倒されたのもあり、序盤から大泣き。
どんな声をかけていただいても大泣き。エピソードトーク披露どころじゃない笑

『好きな音楽かけれるけど何が良い?』と聞いていただいて、私の頭の中に浮かんだ推しアーティストはいくつかいたのですが、元気の出る曲が多いNEWSをお願いしました。
(個人的に大正解だった!)

手術台に横になりながらいろいろ説明していただいたと思うんですが記憶が曖昧…。実際のポートを見せてもらった気がしなくもないです。

手術台に体は正面、頭だけ左側を向いて、紙っぽい布をかけてもらいます。
見えるところから看護師さんが声をかけてくれたり手を添えてくれたりと手厚かったです。

とにかく麻酔が痛かった!!
そんな奥の方までいきますのん!!?って思うくらい、鎖骨下の奥の方まで響く感じでした。

その後は触れられているなぁ、何か液体が流れているなぁ(消毒液なのか血なのか…)くらいしか感覚はありませんでした。
おそらくポートを入れるところを切るときに耳元でギュイーーーンと機械音がして不快感はありましたが、痛みはなし。
その後は肩のあたりをゴリゴリと押されたり(どの過程なのか謎ですが結構衝撃がありました)ポートが入ったところ?をぐいっと押されたり。度々レントゲンを撮るのかな?大きく息を吸ってそのまま~とか、息を吐ききって少し我慢~というのがありました。

麻酔以外に痛みはなかったものの、精神的苦痛は大きかったので大泣きしながら口パクでNEWSを歌って凌いでいました笑

そんなこんなで手術は無事終了。先生方、看護師・技師の皆様ありがとうございました。
ちょっと時間がかかったらしいんですが、トータル1時間半弱で終わりました。

帰りは病棟の看護師さんに迎えに来てもらって車椅子異動(初めて!)。
レントゲン室に移動して検査をして終わりです。

お部屋に戻ってきてからはとにかく安静にしていました。
麻酔が切れた頃にも患部はそれほど痛くなかったなぁ。刺激してなかっただけかもしれないけど。

夜はまた抗生剤の点滴を1時間。
翌日の化学療法に備えます。

大泣きの理由

何がそんなにしんどくて泣き続けたのか。
手術というものをこれまで受けたことがなくて怖かったのもありますし、もう1つ…これが一般的な感覚なのかどうかわかりませんが大きな怖さがありました。

これはもう化学療法初回からずっと感じてきたことではありましたが、ポートを入れたら尚更自分の体ではなくなっていってしまうんじゃないか…という恐怖です。

今思うと、体(病態や治療)とメンタルに乖離が生じていたからなんだろうなぁと。人によるところですが、そこが一致するまでには時間を要するものだと思います。

私が大切にしたいもののために今は治療を第一優先にする、どんな治療でも可能性があるならタイミングを逃さずに試す、というのは職場の方々が背中を押してくださって決断できたことです。
そういう背景があったから、『できる治療は何でもやるつもりです!』と主治医先生にお伝えして、今回ポートを増設して治療を受けると自ら決められたのだと思います。

私が私の目標や未来のためにした決断なので、その大事なポイントは忘れずにいたいものです。

それから、Xの闘病アカウントで相互フォローしている方から『ポートはお守りと思って大事にしてあげて下さい。きっと役に立ちますよ。』とコメントをいただいてハッとしました。非常に腑に落ちる解釈。

前に他の相互さんからも温かいコメントをいただいたことをきっかけに、自分のために頑張ろう!って思えたんですよね。
顔も名前も知らない方々ですが、一緒に闘ってくれていると思えるので心強い、私にとって心の支えになっている人たちです。

こういうところでも、私は沢山の方々に支えてもらって生きているんだなぁと実感しました。

入院3日目:FOLFIRI療法初回投与

夜間の闘い

私、少し前に椎間板ヘルニアが再発したので腰痛とも闘っているんですが、特に夜になると増悪するので寝返りを打ちたいのに患部が気になるから難しい…。そんなこんなで2日目~3日目の夜はきつくない体勢探しが少し大変でした。
そのせいか、朝起きたときに患部がちょっとイタタタ…。怪我してんだよなぁそういえば!くらいの感覚です。

いざ、治療

朝夕の抗生剤は継続。
加えて、朝は採血、尿検査。私、先日までのスチバーガ内服で尿たんぱくが結構出ちゃって(最大4+=6g程度だったそうです)この先使う薬も尿たんぱくが異常だと使えないらしく…。数値は少しずつ下がってきているようなので、このままなんとかなったほしいです。

採血はOKということで、お昼前くらいから化学療法開始。
最初は吐き気止め、イリノテカン、フルオロウラシルは腕から、2日間続けるフルオロウラシルはポートから投与してもらいました。

副作用、出るよね~

イリノテカン、前医よりも少なめから始めていただいているけど、副作用はうっすら出ました。
視界がぽわっと歪む感じ(増悪すると頭部全体が熱っぽくなる)、咳やくしゃみをしたときの腹筋の違和感、ふくらはぎのもぞもぞ感(増悪すると攣りそうな感じになる)、舌が回らない感じ、吐き気。
吐き気以外は比較的すぐに収まっています。

吐き気は強すぎないけど気になったので、吐き気止めの点滴を追加してもらいました。
食事はある程度とれますが、昼過ぎ、消灯後に軽く嘔吐してしまいました。病院食が思ったより美味しかったので(失礼)欲張ってしまったのも無きにしも非ず…笑

夜間もうっすら吐き気があって睡眠の質は最悪…。
うとうとするけどなんか気持ち悪いな、吐くほどじゃない気がするけど吐いちゃえるならお手洗い行こうかな…と考えているうちにまた寝落ち。

入院4日目:落ち着いて過ごしてはいるけど…

vs吐き気

吐き気止めのデカドロン開始。五角形で可愛い。
お薬のアプローチに加えて、私は炭酸を飲むと少しスッキリするのでキリンレモンを飲んで吐き気は落ち着きました。

腎臓内科の先生とお話

尿たんぱくが高いから、今後しばらくは外来で腎臓内科の先生にも診ていただくことになりました。
さっき書いたことと重複しますが、最大4+(6g程度)だったのがゆっくりゆっくり2+(2g程度)まで下がってきてはいるそうです。
ただ、正常値は0.1gくらいなんだとか。かけ離れとるやんけ~~。

最も可能性が高いのがスチバーガの副作用とのことですが、あまりに続いてしまうと腎臓に負荷がかかってしまうらしい…。回復がゆっくりということで、ケアしていただくことになりました。

お世話になりすぎている看護師さんとお話

緩和ケアをご担当されている看護師さんで、外来のときからいつも頼りにさせていただいている方です。
入院中にも私が不穏になったらすぐお話を聞いてもらおうと思っていたのですがそこまで落ち込みすぎることもなかった(手術を越えたら持ち直してきました)ので、お会いできると思っておらずびっくりしました~。びっくりして変な挨拶をしてしまった気がします。

お顔を見るだけで安心するってすごい。
緊急性のないことなのにいろいろ話したくなってしまって、しばらく捕まえてしまいました。仕事のこと、生活のことなどなど広く相談に乗ってくださって大変心強いです。いつもありがとうございます!

来月その方が長期研修に行かれるとのことで、その間にピンチになったらベテラン心理専門職の方にお繋ぎいただけることになりました。患者の立場で心理専門職と関わるのは初めてなので少しドキドキしますが、頼りにさせていただきます!

薬剤師実習生とお話

薬剤師の方、そしてその方に付いていた実習生ともお話ししました。

順番が前後してしまうんですが、実は3日目に薬剤師さんとはお話ししています。治療スケジュールや副作用について詳しく教えていただきました。

そして4日目。
廊下から『なんとなくでも良いから喋っておいで!』と聞こえた10秒後くらいに私のところのカーテンが開いて思わずにっこり。実習生の方が副作用のこととか気になっていることについてヒアリング、説明もしてくれました。
緊張しながらも丁寧にやってくれて、この人の今後の臨床に役立つケースになれたら良いなぁと思いました。

おや?毛根の様子が…?

手術後3日は入浴できなかったのでドライシャンプーやホットタオルで綺麗にするくらいだったんですが、抜け毛が明らかに増えました。

スチバーガでやや脱毛があったものの、地肌が見えるほどではなかったのですが…
これまで私が試した中で1番抜けるのがイリノテカンだったので、はいはいやっぱり来ましたか!という感じでした。

初めて脱毛が起きたときほどではないにせよ、落ち込みはします。
次に地肌が見えるくらい抜けたら坊主にする!と以前は思っていましたが、踏ん切りをつけるのはなかなか難しいです。

脱毛のお話はまた別の機会にもできたらなぁと思っています。

入院5日目:心は折れたが無事退院

緊張の脳CT

念のため脳に転移がないか確認するとのことで、初めての脳CT。
なんだかものすごく緊張してしまって、足腰が固まっているのを感じました。

検査はあっという間に終わり。
何事もないと良いな…。結果は次回診察時にお伺いする予定です。

きっかけは些細なことで…

CTから戻ってひと息つくと、なんだかいつもよりも腰の痛みが強い…。
おそらくですが、連日の寝返りの打てなさ+CTで緊張して腰に負担がかかったことによる痛みだと思います。横になっていても、温めていても全く楽にならない…。

意を決してナースコールを押し、痛み止めをお願いしました。

看護師さんを待っている間、ふと『もうこんな体は嫌だなぁ』という思いが出てきてしまって涙腺が大洪水。
抗がん剤は辛いし、思うように動けないし、点滴は毎回痛いし、腰も良くならない。先々を見越して治療を優先するべきなのはわかるけど、だからって未来で私の欲しいものが手に入るとは限らない。今こうやって耐えている意味って何だろう。もう全部嫌だなぁ。みたいな。

来てくれた看護師さん、びっくりしていました。

その後、無事退院

腰の激痛も落ち着き、フルオロウラシル持続ver(看護師さんたちは『たまごちゃん』って呼んでいました)も完了したため退院しました。

うっすらとした吐き気とだるさは続いていたかなぁ。
食欲はありました。

以上、長くなりましたが先日の入院記録でした。

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