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スナックのママがPPM分析してみた

こんばんは。湯島に月イチで現れる幻のスナックさりーのママ、さりーです。

今回はPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)のマトリクスを用いて、現状のスナック事業を分析し、経営戦略を考えてみます。

PPMとは

BCGが提唱したマネジメント手法であり、事業のライフサイクルを以下4つのタイプに分類し、どの事業に資源を重点配布するのか、どの事業から撤退するのかの投資判断に用いられるフレームワークです。

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PPMは2*2のマトリクスとなっていて、縦軸は市場成長率、横軸は市場占有率=マーケットシェアを意味します。各象限の内容は以下のとおりです。

問題児
キャッシュイン:少
キャッシュアウト:多
事業のスタートはここ。自社が差別化できる事業であると判断できれば、大型先行投資をして花形へ成長させる、そうでなければ撤退するポジション。

花形
キャッシュイン:多
キャッシュアウト:多
市場が伸びており、自社が業界のシェアトップにつけている事業。トップの座を守るために積極投資を継続し、市場の成長に合わせて拡大する必要があるため、金食い虫ともいえる。

金のなる木
キャッシュイン:多
キャッシュアウト:少
市場の成長が縮小傾向にあるが、シェアトップを守り続けている事業。投資を抑え、コスト削減し、キャッシュを生み続ける戦略への転換が必要。

負け犬
キャッシュイン:少
キャッシュアウト:少
成熟/縮小した市場においてシェアが少ない事業。原則として撤退戦略を取り、資金回収を目指す。

一般的には、負け犬以外のポジションのプロダクトをバランスよく保有している状態が良いと言われています。
このPPMフレームワークを用いてスナックの事業戦略を立ててみます。

スナックのPPM

先ほどまでの説明において市場成長性という言葉がありましたが、今回はスナックの強豪と比較するのではなくスナックさりーの内部にクローズすることにします。本質の分析とはズレてしまいますが、ビールとおつまみどっちが売れてるか、みたいな話です。

カテゴリは以前のnoteで分析した売上構造に基づいています。

さて、スナックさりーで取り扱っているプロダクトをマッピングしてみました。

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丸の大きさは売上を表しています。今の店舗ではカラオケやってないですけどね…。
ひとつずつ解説します。

スナックの問題児

コンテンツ収入
まだゼロ円ですが今後できたらいいなという部分で載せました。生み出すためにリソースを割くという意味でキャッシュアウト多としています。左の象限に成長させられたら良いのですが…!

物販 カラオケ
以前借りていたお店にはカラオケが設置されていたので、マッピングしてみました。その際は店舗設備をお借りしていた形なのでランニングコストはありませんでしたが、もし自分のお店にカラオケを入れた場合月額費用に対してキャッシュインがかなり少ないことが予想されたため、こちらのカテゴリになります。1曲300円くらいに設定しても、歌う人ほとんどいなかったんですよね。

飲食 ごはん系
シメの白米やおいなりさんなど、炭水化物系を主に示します。このあたりは準備のコストがかかるわりに、一人1品しか注文しないため、そんなにキャッシュインが見込めません。とはいえ、メニューから切るのは難しいので悩みどころです。

スナックの花形

飲食 おつまみ系
わたしのスナックではキャッシュインの柱の1つです。皆さん色々と頼んでくださるし、SNS等の広告としての役割も果たしてくれています。
ただ、毎回のメニュー検討リソースや仕入れコストもそこそこかかります。

スナックの金のなる木

飲食 アルコール
おつまみ系以上のキャッシュインを生んでいるのがアルコールです。一般的な居酒屋はアルコールの売上に支えられているのだろうと推定できます。アルコールは保存がきくものが多く、仕入れ値がそんなにかからないので、上手に仕入れてラインナップを揃えればキャッシュを生み続けます。

サービス料
スナックさりーではサービス料はとっていませんが、もし取った場合は金のなる木のポジションになることが想定されます。人的リソース以外のキャッシュアウトがかかっていないですからね。

物販 麻雀
金のなる木負け犬のはざまかなと思えるのが麻雀。そもそもスナックに麻雀があるのがおかしいのですが笑
スナックさりーに麻雀卓を設置して、場代100円~max500円で遊んでもらった回がありました。牌の初期投資以外のランニングは発生しないため金のなる木と言えるかなぁと思ったのですが、アルコールやおつまみ等ほどのキャッシュインを生むわけではないので、微妙なポジショニングにしています。

スナックの負け犬

飲食 ソフドリ
ソフドリは負け犬と分かっていても切り捨てられないんですよね…。悩ましい。
色々な種類を揃えようと思うとコストがかかるため少な目にしているのですが、それでも毎回余りまくります。

PPMを踏まえたスナックの事業方針

以上の分析から、今後の事業方針を複数考えてみました。

コンテンツ収入
・引き続き注力し、1か月以内に花形化を目指す。できなければ撤退を視野に入れる。
物販 カラオケ
・自分が店を持った場合は導入しない。
・Youtubeなどで代用しランニングを発生させない。
飲食 ごはん系
・オーダー数が少ないため、数量限定にする。
・販売しない日を設けて様子を見る。
・リソースを割かず、出来合いのものを用意する。
飲食 おつまみ系
・リソースを抑えるため、定番メニューを用意する。
・余りを出さないよう、見込み集客数の80%程度の仕込みに留める
飲食 アルコール
・基本的に現状維持。流行にあったアルコールは適宜仕入れる。
サービス料
・基本的に導入しない方針を維持。
物販 麻雀
・ランニングコストは発生しないため基本的に現状維持。
飲食 ソフドリ
・撤退はできないため基本的に現状維持。
・モクテルを検討し、花形を目指してみる?

以上がスナックのプロダクトのPPM分析でした。
自らの保有するプロダクトの現状整理、今後の方針検討においては役立つフレームワークの一つと思います。

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