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私と図解〜人生最大の挫折編②〜

私が図解に取り組んできた歩みについて、
コツコツと綴っていきたいと思います。

今回は「人生最大の挫折編②」です。

(人生最大の挫折編①はこちら)

銀行の事務部門時代に、紆余曲折を経て、
「手形や小切手の流れを図解しよう!」という
目標を立てます。

毎日、支店や他行から送られてくる、長細い用紙。

記載の数字を専用端末に入力して、
専用の機械にセットして印字をして、
終わったら上司のチェックに回すだけ。

手順さえ覚えれば、誰でもできるルーティーン仕事。


けれど、その紙のことを理解するのは、
実はとても難しいことでした。

「手形って何?」「小切手って何?」
「期限って何?印字って何?」
「どこで発行されるの?」
「どこから来て、どこへいくの?」
「お金はどうやって流れていくの?」

これらの答えがバシッと書いてあるものは、
当時どこにもありませんでした。

部署にあるのは、30年も前の薄〜い小冊子のみ。

それか、とんでもなく分厚い専門書でした。


とりあえず、わかることを図に落としてみましたが、
すぐにペンは止まります。

自分では到底わからないことだらけです。

そこで、毎日、分からないことを1つずつ見つけては、
上司に質問しに行きはじめます。

その際には、必ず、図解の質問メモを持参していました。

質問内容の要素を並べて、分かる部分については矢印と説明を書き、
「ここから先の流れが分かりません」という風に、
具体的に聞くようにしていました。


当時の上司は、とても寡黙な方で、
私から話しかけなければ、1日中会話がないことが常でした。

それでいて、部署内では、とても頼りにされている存在でした。

手形・小切手関連に一番詳しくて、
どんなトラブルや緊急事態が起こっても、
その上司に聞けば、解決方法が分かる、という
重鎮のような存在でもありました。


直属の上司ながら、あまり話したことがなかったので、
最初はぎこちないやりとりでしたが、
質問するたびに、丁寧に教えてくださいました。

私の書いた図解に、線や説明を書き足しながら、
分かりやすい言葉で説明してくれました。

そのやり取りが、半年ほど続きます。


今まで距離があった上司と、
何かが少しずつ噛み合っていくようで、
とても嬉しかったです。


机の上で、図を書いて理解している時だけは、
周りが一切気になりませんでした。


それまでは、周りが忙しく仕事をする中で、
自分だけ仕事がない状態なのが、
すごくみじめで辛かったです。

そんな中でも、図解に取り組んでいる時だけは、
夢中になって書いていました。

「私は図解が好きなんだ」
「好きってこういうことなんだ」
ということを自覚した時期でした。

毎日コツコツ書きためたメモは、
知識だけでなく、自信もつけてくれました。

そこには、自分の努力や、教えてくれた人の優しさが確かに表れていて、
この世に1つだけの、オリジナルの存在として、私の心を支えてくれました。


今までは単純作業だった内容が、
段々と「仕事」になっていく感覚。

どこから来てどこへ行くのか、
どんな経路で、どの機関が携わっているのかなど、
想像できるようになっていきました。


とはいえ、明るい気持ちだったかというと、そういうわけでもなく…。
図にすることは、誰にも頼まれていない、
いわば「勝手にやっている」状態。

もちろん、評価にも、実績にもならないし、
極めて地味な作業でした。


同じ部署の方からも、
「そんなに手形や小切手の勉強をして何になるの?」
「それって意味あるの?」
なんてド直球な疑問を投げかけられることもあり、
もう少し励ましてくれてもいいのに…と、
悔しいやら、もどかしいやら。
答えのない迷路を彷徨っている感覚は続いていました。

それでも、私の中には「図解は重要なスキルだ」という確信がありました。

仕事を図にすることで、見えるものがたくさんある。
今まで気にも留めなかった内容が気になり出す。
質問がしやすくなる。理解も深まる。
作業が仕事になっていく。成長が実感できる。

その直感を信じて、毎日図解をしては質問するという、
自分で掲げた目標を続けていました。


その結果、少しずつ、プラスの変化が訪れるようになります。

(人生最大の挫折編③へ続く)


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