smartroundを描くデザイナーの"協業"―「デファクトがない」領域のUI/UXデザインへの挑戦
こんにちは!スマートラウンドでエンジニアをしている福本です。
皆さまにsmartroundの開発に携わる人たちのことを知ってもらいたく、今回はsmartroundで最近行われたホーム画面の「グローバルナビゲーション(以下グロナビ)のリニューアル」プロジェクトをテーマに、携わったデザイナーの上垣さんとせなさん(早川さん)のお二人にインタビューしました。
BtoBのSaaSプロダクトにおけるデザイン刷新の背景や取り組み、こだわった点などをデザイナー目線でたっぷりと語ってもらいました!
何部かに分けてお届けしたシリーズも今回が最後となります(しんみり)。
第3部では、プロジェクトの枠を少し超えて、”デザイナーの協業”についてお二人に語っていただきます。
これまでの第1部、 第2部の記事はこちらです。スマートラウンドにおけるデザインのお仕事についてより理解が深まるので、ぜひあわせてお読みください!
今回も、デザイナーがスマートラウンドで経験できることや、その面白さをお伝えしてまいりますので、最後までお読みいただけると幸いです。
話す人
聞く人
「デザイナーは自走するのが基本」
福本: 前回はグロナビ刷新プロジェクトで使うべきカラーを決めるデザインの具体的なお話を伺ってきたのですが、今回は少し視点を変えて「チームでの協業」について聞いてみたいと思いまして。
例えば、デザインのレビューやフィードバックをもらうタイミングや、その体制について教えてくれませんか?
せなさん:デザイナー同士に限った話をすると、基本は「困ったら相談する」というスタンスです。お互いのデザインに関して、すべてを前もってレビューし合うことはないですね。
福本:なるほど!各デザイナーがきちんと自走するのが基本ということですね。
上垣さん:そうですね!デザインの相談や共有があれば、デザイナー朝会に持ち込んで気軽に相談できるので、自走しつつも横の連携は取れていると思います。
開発チームとの協業
福本:悩み事を共有する場が定期的にあると、仕事が滞ることもなさそうで良いですね。どの粒度のデザイン案を、誰にどの程度まで共有して進めるべきか悩む方も多いと思うのですが、現在はどのようにしていますか?
せなさん:プロダクト全体に関わるレベルの、サイズが大きい企画・変更およびスタイルガイドについての話題は、デザイナー・PdM・エンジニア全員が参加するプロダクト朝会で共有しています。各開発チーム内で完結するレベルの小さいissueについては、全体ではなく各チームの朝会に持ち込んでますね。
上垣さん:他にも「スタイルガイド-実装 改善プロジェクト」というのをデザイナー-エンジニア間で協力して実施しています。スタイルガイドに関するエンジニアの方との相談や議論は、その定例の場で行うことが多いです。
福本:開発に関わるメンバーが増えてきたこともあって、このあたりは色々と変えながら試行錯誤している感じがありますよね。その前は、エンジニア全員が参加する朝会ですべて共有されていた記憶があります。
せなさん:メンバーが増えたりチームが変わっていく中で、より仕事が進めやすい形を探りながらやってますね。他にも、同期的に全ての意見を聞くのが難しい場合は、Figma上にコメントを残してもらい必要であれば別途議論を進める…ということもよくやります。
福本:なるほどです!すごくふわっとした質問なんですが、PdMやエンジニアと協業する中で、デザイナーのお二人が何か感じることってありますか?例えば「実際に共有してこういう価値があった」「スマートラウンドはこういう人が多い」というような。
上垣さん:チーム単位での朝会で特に感じる場面が多いのですが、デザインを自分ごととして捉えてくれることが多いなと思います。ちゃんとデザインや企画自体についても当事者意識のあるフィードバックをしてくれる方が多くて、トピックを小出しにして相談もしやすいなと。
せなさん:エンジニアの方から「こういうデザインはどうか?」という具体的なアドバイスを頂くこともあります。特にsmartroundは仕様が複雑な機能が多いので、「こんなケースも考慮する必要がありそう」といった仕様のパターンもエンジニアの方に意見を貰って気づくことも多いです。
福本:データとか画面のパターンはエンジニアの視点がある方が抜けがなさそうですね。
せなさん:他にはスタイルガイドの観点で、プロダクト全体を俯瞰した視点での意見を頂くこともあります。具体的には「別の画面だと〇〇になってますが、合わせたほうが良いんじゃないか?」みたいなイメージですね。エンジニアの方もプロダクト全体の体験に責任を持って日々開発されているのを実感します。
福本:開発に関わっているエンジニアの1人として、そう言っていただけるのはとても嬉しいですね!
スマートラウンドでデザインをする面白さ
「デザイナーが不足しているのが課題」
福本:これまでと少し視点を変えて、デザイナーの皆さんから今のスマートラウンドで課題に感じていることがあれば教えてほしいです。
上垣さん:やはりデザイナーが不足していることが1番の課題ですね。プロダクトが順調に大きくなってきているので、たくさんある「やらなければならないこと」をこなすことに精一杯で、デザイナー目線での「やったほうがいいこと」「やりたいこと」にまだまだ手がつけられていないのが現状です。
福本:スマートラウンドはデザイナーとして関われる領域が幅広いので、近くで見ていてそう感じる場面はありますね。せなさんはどうでしょうか?
せなさん:上垣さんと近い話ですが、機能開発に関するデザインだけではなく、プロダクトや組織が大きくなっていくことを考えて様々な取り組みにも、もっとチャレンジしていきたいです。
最近だと、今までずっとやりたいと感じていたスタイルガイドの整備を、少しずつですがようやく着手できていて、工夫しながら進めているところです。
福本:エンジニアと協力してやってますよね。「スタイルガイド-実装 改善プロジェクト定例」で、色々と改善されてるのを見かけます。具体的にどんな作業をしているのでしょうか?
上垣さん:デザイナーとエンジニアで、主にFigmaのスタイルガイドとstorybookのコンポーネント構成やデザインルールを合わせる作業をしています。
福本:デザイナーとエンジニアが協力して、デザイン改善の取り組みを継続してやっているんですね。やるべきことが多いながらも、少しずつやりたいことに取り組みつつあるのは良い流れだなと。
デファクトのない世界で、デザインを大切に
福本:イチ開発者としての自分の視点なんですが、今のスタイルガイド改善の話も含めて「ユーザー体験やデザインを大切にしていこう」という意識や雰囲気が、色々な取り組みや仕組みから感じられるのが良いですよね。
上垣さん:社内でよく使われる表現ですが、smartroundは「UI/UXのデファクトがない」領域のプロダクトなんです。起業家、スタートアップ、支援者(投資家やアドバイザー等)のそれぞれの業務課題を解決したり、それらを繋げるプロダクトの例がなくて。
福本:そうですよね。「UI/UXのデファクトがない」プロダクトだという話はエンジニア採用でもよく触れています。
せなさん:実際にデザインや仕様を検討するのはすごく難しいんですけど、そこに楽しさを感じられる人にとってはとても良い環境なんじゃないかなと思います。
読んでいただいた方へ
福本:自分も話を聞いてて「難しいことにチャレンジできる楽しさ」、とても共感しました。
それでは最後に、このシリーズを最後まで読んでいただいた方にメッセージをお願いします!上垣さん、いかがでしょうか?
上垣さん:私がスマートランドに入社した1番の理由が、「いい意味で先が見えなくて面白そう」と思ったからなんです。入社して3年ほど経ちますが、 今でもやっぱり先が見えなくて楽しいです(笑)。
福本:なるほど(笑)。
上垣さん:扱っているドメインの専門性が高く、プロダクトの仕様としても1つのデータベースがいろんな画面で複雑に絡み合っていて難しさはあるのですが、難しいものを使いやすくするにはどうしたら良いか?と考えることが好きな方にはとてもやりがいのある楽しい環境だと思います!
福本:ありがとうございます!せなさんはどうでしょうか?
せなさん:私も上垣さんと同じく、扱っているドメインの難しさとそれに伴うプロダクトの複雑さに強く惹かれています!
また、他の観点でお話しするのであれば、BtoBでありながら「ユーザーとの距離がとても近い」というのが面白いです。
入社前から聞いてはいましたが、思った以上にユーザーとの距離が近くてびっくりした記憶があります。ユーザーインタビューや企画の段階でのヒアリングを社内外でたくさん実施しており、みんなでユーザーの声を聞く文化があるのも魅力です。
福本:自分たちもユーザーとしてsmartroundを使ってますからね。そういえば、PdMがバックオフィスの大地さんにインタビューしてるのを先日見かけました(笑)。
せなさん:そういう感じで、課題をきちんと特定することを重要視して進める文化があります。実際にユーザーの声や意見に触れる機会が多いのはデザイナーとして楽しいですし、ありがたいですね。
上垣さん:そうですね。スピード感を持ちながらも、課題と解決策が適切なのかという観点はとても重要なので、開発側の想定する解決策を拙速に進めるのではなく、ユーザーの声を聞いて課題に対しての解像度や温度感を理解した上で解決策を考えることができていて、良いフローだなと感じています。
せなさん:あとは、一緒に働く人が本当にいい人ばかりだといつも感じてますね。仕事をする上でのストレスがそもそも少ないというか(笑)。
福本:スマートラウンドは大人な人が多いですよね。自分はよく「社会人として1〜2周した人が多い」みたいな表現を使ったりしてます(笑)。ストレスが少ないのは大事ですね。
せなさん:例えば、ミーティングひとつ取っても色々と工夫してくれる人が多くて。「アジェンダがある」とかはもちろんなんですが、デザインと向き合える時間を大切にしてくれるので、まとまった作業時間をちゃんと確保できるようにしてくれています。
福本:一見当たり前のことですけど、ちゃんと工夫してくれるのはありがたいですよね。定例とかも、意図や目的がきっちり整理されていて、惰性でやってるものが少ないと思います。
せなさん:デザイナーとしての仕事の進め方や考え方への理解があり、尊重されているのでいつも仕事がしやすいな、と感じています。
福本: めっちゃいい話!この話はカットせず載せましょう(笑)。smartroundのデザインについて、面白い話をたくさん聞かせてもらいました。ありがとうございました!
さいごに
この記事・このシリーズを最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!スマートラウンドでデザイナーをすることの面白さ、魅力が皆さんに伝わっていればとても嬉しいです。
私も、この記事のインタビューを通じて、スマートラウンドでデザインをすることの面白さ・難しさを改めて強く感じました。それとともに、こんなに難しいことを日々の仕事の中で当たり前のように実践するデザイナーのお二人へのリスペクトがより強くなりました。
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これまでの第1部、 第2部の記事はこちらです。スマートラウンドにおけるデザインのお仕事についてより理解が深まるので、ぜひあわせてお読みください!
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