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カテゴリー型マルチプロダクトのブランディングのための重要3テーマ─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#4

SmartHRは、2024年7月1日にシリーズEラウンドの実施と、新規領域への参入や、労務管理・タレントマネジメントの新プロダクトを発表しました。
シリーズEラウンドの実施や新領域への参入を受け、それぞれの管掌組織の挑戦や戦略について、SmartHRのVP陣がリレー形式でnoteを執筆します。

第1回:村から都市への発展過程で求められるもの──シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#1
第2回困難だからこそやりがいがある。エンタープライズ事業本部の進化と挑戦─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#2
第3回:Alignment と Autonomy と Agility ── シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#3 
第4回:本記事です
第5回:社会の非合理をハックし、well-workingな世界を求めて─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#5

第4回はブランディング統括本部長(VP of Branding)の岡本さんです。



こんにちは。
SmartHRの岡本(@takaokamoto1)です。
前回note記事「SmartHRのブランディングを牽引する組織のはなし」から約半年ぶりのnoteになります。ブランディング統括本部には、マーケティング職、コミュニケーションデザイン職のメンバーが在籍し、広義のブランディングを推進しています。詳しくは前述のnote記事を読んでいただければと思います。

さて、今回は先日のシリーズEラウンド実施の会見で発表された今後の事業戦略を踏まえたブランディング統括本部の方針、注力ポイントについて書きます。今後SmartHRへの入社、転職を検討されている方にとって有意義なものになれば幸いです。

まずは、事業戦略のおさらい

会見では今後の事業展開として「人事労務領域」「情シス領域」「従業員領域」「プラットフォーム領域」におけるプロダクト開発についての話がありました。

SmartHRは、労務管理を祖業にプロダクトをローンチし、2019年にはタレントマネジメント領域に進出することで「人事労務領域」を幅広くカバーするようになりました。2023年には「プラットフォーム領域」を正式ローンチしました。そして、従業員ポータル、スマートフォンアプリといった「従業員領域」、さらに「人事労務領域」を強化する形で「勤怠管理」、マルチプロダクトとして新たなカテゴリーへの新たな一歩として「情報システム領域」に進出していくことが方針として共有されました。

SmartHRのマルチプロダクト戦略を示した図。

CEOの芹澤さんが執筆した「これからのSmartHRの話をしよう─資金調達を経て目指したい、業務効率化の先の世界」を読んでいただくとさらに詳しくわかります。気になる方はぜひご覧ください。

SmartHRの歩むマルチプロダクト戦略

ここでは、SmartHRの成長をマルチプロダクト戦略の切り口で簡単に振り返ってみます。

当初はアドオン型マルチプロダクトとして、労務管理を起点に、入社手続き、年末調整などの新たな機能が追加され、労務管理領域の提供価値を強めてきました。
アドオン型マルチプロダクトとは、コアプロダクトに対して、追加のモジュールや機能を提供することで、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズを実現するモデルです。ユーザーは必要な機能を選択して導入、利用することができます。

そして、現在・今後はタレントマネジメント、情報システムといった新しいカテゴリーにその領域を広げ、カテゴリー型マルチプロダクトとして成長を続けています。
カテゴリー型マルチプロダクトは、異なる業務領域に特化したプロダクトを提供することを指します。

SmartHRのマルチプロダクト戦略の変遷を示した図。アドオン型マルチプロダクトから、カテゴリー型マルチプロダクトに変化し、情報システムが加わっている。

カテゴリー型マルチプロダクト戦略を成功させるために、ブランディングで大切なこと

このカテゴリー型マルチプロダクトを成功させるため、ブランディング統括本部の大切なテーマとして「ポジションニング」、「ブランディングの一貫性」、「クロスマーケティング」の3つを掲げています。

1.ポジショニング

新しいカテゴリーにおけるブランドの位置付けを明確にし、一貫したブランドメッセージを発信し、ユーザーの心に強く残るブランドイメージを構築することです。労務管理として始まったSmartHRは、労務のためのプロダクトとしての認知・イメージが強く、タレントマネジメント、情報システム領域のプロダクトとしての認知・イメージは十分ではありません。新しいカテゴリーを成長させていくためには、各カテゴリーの位置付けを明確にし、ユーザーの心に強く残るブランドイメージを構築すること。つまり、ポジションが重要になります。

2.ブランディングの一貫性

1.の個別カテゴリーの明確なポジショニングとは相反しますが、複数の製品カテゴリーを保つ場合でも、企業・製品全体のブランドイメージを一貫させることです。
人事・労務部門向け、情報システム部門向けと個別カテゴリーごとにポジションニングをとり、ブランドを作っていくことも重要ですが、SamrtHRは従業員領域・プラットフォーム領域も含めたバックオフィス全体のためのプロダクトであり、真のエンドユーザーはすべての従業員になります。バックオフィス全体のためのもの、すべての従業員のためのものといったブランドとして信頼されるための認知、イメージを作っていくことも同時に重要だと考えています。

3.クロスマーケティング

関連するプロダクトをセットでプロモーションしたり、既存ユーザーに対して他のカテゴリーのプロダクトを提案したりすることです。わかりやすい例として労務管理とタレントマネジメントをセットで提案し、ご利用いただくケースがあります。労務管理の各種手続きにより収集された従業員の情報を活用することで、タレントマネジメントを実行しやすくなったり、より有意義なデータの可視化ができるようになります。関連するプロダクトをセットで利用いただくことで、SmartHRの提供価値が高まり、ユーザーが享受する利用価値も高まるのです。
この実現のためには、複数プロダクトを跨いだ複雑なデータを可視化、分析するための環境構築やスピード感を持ったデジタル施策を実行するためのオペレーションの構築も重要になります。

最後に

SmartHRは今後、複数カテゴリーを持つブランドとして成長していきます。これまでもそうですが、今後も類稀な成長率を維持し、事業成長を目指していきます。その実現のためには、国内に類を見ない高いレベルでのブランド作り、ブランディングをしていく必要がありますし、私自身もこれに強くコミットしています。

ブランディングで大切なことのパートで述べたように、SmartHRは現在、ポジショニングと一貫性といった相反する大きなテーマをバランスよくクリアしていく必要のある難しいフェーズでもあります。また、複数カテゴリーを跨ったクロスマーケティングを実現するために、領域を乗り越え、上手く物事を進める高度なプロジェクトマネジメントも必要です。

こうした難易度の高い課題にチャレンジし、乗り越えていくことにやりがいを感じられる方、力を発揮できる方のジョインを心待ちにしています。


7月30日(火)19:00から、ビジネスサイドのVPが登壇しSmartHRのこれからについて語るイベントを開催します!ご都合があう方はぜひご参加ください。


次回は、VP of Market Business 中尾さんの記事をお届け予定です!どうぞお楽しみに!
前回のSmartHR VP記事は以下よりご覧ください。